ニュースの論点No.180 自分にしかできない仕事がありますか?

 「店内放送 AIが自動選曲 性別、年齢…カメラで顔識別」2020105日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「USENは来店客の年齢や性別に合わせて店内放送を自動で変える店舗向けシステムを1020日に発売する」としています。

 

 当該システムは飲食店や小売店をターゲットとして想定し、AIを搭載したカメラで来店客の年齢や性別を検知、客の属性に合わせた楽曲を流すシステムとなっています。客層とBGMの上手なマッチングは、店舗の回転率や購買意欲を掻き立てる効果もあるとのことで、店舗側からすれば非常に利便性の高いサービスだと考えられます。

 

 BGMの最適化以外にも、防犯カメラ機能や来店客の集計、分析ができるサービスもあり、同様のサービスはUSENだけではなく様々な企業が展開しています。いよいよAIはより実践的な、誰もが使えるサービスとして浸透し始めたと言えるでしょう。

 

 さて、これまでの店舗ビジネスでは、来店客に対して、店舗スタッフが新規客か得意客を見分け、直接サービスし、購入されたモノやサービスを記録に残し、次の来店につなげるアフターフォローなどの業務を、頭や手足を使って行ってきたわけです。しかし現在においては、状況が加速的に変化し、お客様との直接的なコミュニケーション以外は、かなりの部分で「人が介さない業務」が増えてきました。

 

 この変化は何を意味しているのでしょうか。勘のいい方はお気づきだと思いますが、人がすべき業務は何なのか。それがはっきりと目に見える形になったということです。

 

 裏を返せば、人がしなくても良いことがどんどん機械化、自動化しているのです。今風に言えば「デジタルトランスフォーメーション(DⅩ)」が進展しているということですね。

 

 それでは今後、店舗ビジネスにおいて人はどんな仕事をしていく必要があるのでしょうか。答えは簡単です。AIやロボットにはできないことです。つまり人にしかできないことです。何やら禅問答のようですが、これが答えです。

 

 もっと突き詰めていけば、あなたにしかできない仕事です。今、店舗ビジネスの現場で働いている方、あるいは経営者の方は、自分にしかできない仕事を考えるべき時です。「AIに仕事を奪われる」との表現がよく見受けられますが、これは間違いです。AIに仕事を奪う意図はありません。人でもロボットでも、上手くやる方にシフトするのはいつの時代でも「必然」です。

 

 この状況を悲観するのではなく、チャンスだと捉えましょう。自分にしかできないことを追求できる良い機会です。ただし一つ注意事項があります。自分にしかできないことでも、人から必要とされていなければ、仕事として成り立ちません(当たり前ですが)。

 

 まずははじめの一歩として、今いるお客様に様々な視点での「ニーズ」を聞いてみましょう。意外なヒントが隠されているかもしれません。