ニュースの論点No.21 スタッフもシェア化へ

日本経済新聞は2017917日、

“ファミマ店舗間で店員「シェア」

人繰り柔軟に“と題した記事を

掲載しました。

 

記事によれば、ファミリーマートは

直営や系列のコンビニエンスストアで、

パートやアルバイトの店員が自ら所属する

のとは別の店舗でも働けるようにするとのこと。

 

現在、都内の直営約40店、店員100人を対象に

実験を始めています。

2018年度をめどに、18千ある国内の全店での

適用を目指すということです。

 

仕組みとしては、急な人繰りに困った店舗の

情報をファミマ側が取りまとめ、

対話アプリを使って事前に登録してある店員に

配信します。

 

そして店員の希望をまとめて店舗に伝え、

実際の勤務は店舗と店員が交渉。

時給は通常の金額が基準となります。

 

メリットとして、店員は働く場所と時間が

広がり、店舗は急な人繰りの際、

外部の派遣(高額)などに頼っていた

状況から業務に習熟した即戦力を得ることができます。

 

課題として、この仕組みをFC店舗に

広げた場合の雇用契約や労務管理、

給与の支払いなどの実務面をどう取りまとめ、

形にしていくかが挙げられています。

 

この仕組みは、今までも店舗ビジネスで

あったような単なる“ヘルプ”ではないところに

新しさがあります。

 

ヘルプはあくまでも自社内で、

店舗間の繁閑の差に応じて、スタッフの

配置を柔軟に変更することであり、

スタッフは上司からの業務命令により

動くトップダウンの仕組みとなります。

 

ファミマの場合は、今は直営店での

実験段階ですが、今後はFC店も含めた

全店へ広げていく計画ですので、

違うFC同士でスタッフをシェアすること

となります。

 

しかも、お互いのニーズをマッチングさせること

で人手不足への対応を行います。

つまり強制ではない、というところがポイントです。

 

労務関係の法律上、様々な問題がありそうですが、

上手く回り出せば、飲食店やほかの店舗ビジネスにも

応用できる仕組みにもなりえます。

 

現在は本当に厳しい人手不足が続いています。

自社が雇用していないスタッフが、

急な人手対応のためにシフトに入ってくれると、

現場は非常に助かります。

 

しかも業務には習熟しているうえ、

慣れていない派遣を頼むよりも給与は

低く抑えられます。(通常より高くしたとしても)

 

ただこの仕組みを取り入れる場合は、

業務の標準化をある程度行っておく

必要があります。

 

いくら業務に習熟しているとはいっても、

店舗によって全てが独自のやり方であれば、

さすがに対応できません。

 

コンビニはその点マニュアルがしっかりと

あり、業務も共通するものがほとんどです。

こういった仕組みには一番向いています。

 

飲食サービス業で取り入れるには、

少なくとも基本的な部分は標準化して

誰が見てもわかる状態にしておくべきです。

 

もっといえば、ファミマのようなシェアの

仕組みを取り入れなかったとしても、

業務の標準化はやっておかなければなりません。

 

でないと、その人しかできない、

いわゆる“属人化”の業務ばかりになり、

その人がいなくなれば誰もその業務ができない

状況になります。

 

これは相当なリスクです。

自分だけができることは、強みにもなりますが、

裏返せばかなり危ない状態です。

 

職人として一生を終わるのであれば

それでいいのでしょうが、もしそうでなければ

早めにそのノウハウを形にしておきましょう。

 

誤解を恐れずに言えば、その人にしかできないこと

はほとんどありません。

 

しっかりと自分を客観視して、

自分の業務の棚卸をしてみましょう。

 

その仕事を独り占めするよりも、

多くの人と共有し、そのノウハウを広めたほうが

さらに多くのお客様の満足を得ることができます。

 

職人気質が悪いことではありません。

しかし、店舗ビジネスとしてとらえた場合、

やはり“属人化”のデメリットは非常に大きいのです。

 

現在の人手不足を機会に、ぜひ今の業務内容を

見直してみてください。

新しい発見が必ずあります。