ニュースの論点No.24 社内にスーパーとコンビニができる

日刊工業新聞は2017106日、

「イオン、都内で弁当自販機 

来年開始へ検討」と題した記事を掲載

しました。

 

記事によれば、イオンモール船橋の

従業員向けスペースで、イオングループの

食品を扱う自販機の試験設置を始めたと

いうことです。

 

2018年に事業としてのサービス開始を

目指しており、昼食や間食として

一定の需要が見込める、3001000人規模の

オフィスへの設置を視野に入れています。

 

イオングループ内の他企業と連携し、

コインランドリー、ATMといった機能付加も

検討しているということです。

 

コンビニ業界はすでに同様の事業を

スタートさせています。

 

918日にNHKが報じたところによると、

セブンイレブンが自販機型コンビニに本格的に

参入します。

 

自販機型コンビニに関してはファミリーマートが

最も早く参入しており、すでに2000を超える

自販機型コンビニを展開しています。

(自販機事業を始めたのはam-pmで、

10年以上前から始めています。

その後ファミリーマートが吸収。)

 

基本的には100人~のオフィスへの設置が主であり、

1500社以上の導入実績があります。

 

具体的な品揃えとしては、おにぎり、サンドイッチ

やパンなどの中食、スイーツ、飲料などで

構成されており、オフィスの昼食をはじめ

間食需要を取り込んでいます。

 

また24時間利用可能、初期費用0円などで

導入のハードルを下げており、震災発生時の

備蓄としてもつかえるため、導入企業としても

利便性が高くなっています。

 

さらにファミリーマートは自販機型を

置くスペースのない小規模のオフィス向けに

オフィスファミマというサービスも

展開しています。

 

専用の販売ケースの中に、カップ麺や菓子類など

の軽食を中心に取り扱い、こちらも初期費用は

かからず、気軽に導入することができます。

 

オフィスファミマよりも早く同様のサービスを

行っているのが、江崎グリコです。

 

オフィスグリコとして2002年にサービスを開始。

こちらは菓子類が中心で、富山の置き薬をヒントに

開発されたサービスです。

 

自販機型やそれより小型で無人の中食、間食

提供サービスは今に始まったことではなく、

すでに存在していたサービスです。

 

スーパーやコンビニなどが相次いで参入を始めた

要因として一番大きいものは、やはり既存の店舗

が飽和状態になっていることでしょう。

 

スーパーは97年のピーク

168千億円→現在131千億円へ

と苦戦を強いられている状況です。

 

苦戦の要因としてこれまでの顧客が専門店や

ネット販売などに流れていることも大きいですが、

コンビニの影響も計り知れないものがあります。

 

一方のコンビニの店舗数、売上額は増え続けています。

95年から約2倍増の10兆円を突破)

 

ただそのコンビニもここから同じように伸ばすのは

かなり厳しいのはないでしょうか。

 

ある程度の出店余地はあるかもしれませんが、

繁華街や郊外など、全国各地にあらゆるコンビニが

ある状況を鑑みれば、そう簡単に増やせないでしょう。

 

エキナカや空港、官公庁、オフィスビルなど

にも出店が進んでいます。

 

自販機型などへの参入の動きをみても、

新たなチャネルや業態を模索中だということが

見て取れます。

 

加えてセブンイレブンは店舗のレイアウトを

これまでのものから大きく刷新した店舗を7月に

オープンさせています。

 

新レイアウトはざっくりいうと

カウンターを長くすることで

おでんや揚げ物などのファストフードを強化、

冷凍食品の棚を増やし、弁当類のチルドケースを

増設することでさらに中食需要を取り込み、

日販額を増やすことを目的とされています。

 

2021年までに既存店のうち1万店を新レイアウトに

することから見ても、新規出店をさらに加速させる

というよりは、既存店にてこ入れをすることで

売上のベースを上げることに重点を置いていると

いえるでしょう。

 

話がいろいろと飛んでしまいましたが、

オフィス需要に対応する自販機型店舗というのは、

既存の店舗だけだと売り上げはジリ貧となり、

新規出店もやすやすと出来ない成熟しきった

小売業界における、新たな金脈の発見とも言えます。

 

店舗側がどんどんお客様へ近づいていき、

利便性を高める動きを活発にすればするほど

店舗の枠はなくなっていきます。

つまり競合が増えていくということです。

 

あらゆるものが競争相手となります。

飲食店でデリバリーをやっている店舗は

選ばれにくくなる可能性もあります。

顧客接点がより近いほうが有利になるからです。

 

この動きが新たな需要を生み出すのか、

それとも既存店舗の需要をただ食い尽くす

だけなのか、やってみないことには答えは出ません。

 

どういう答えになったとしても、ビジネスを

やっていく以上、常に新しいことに

挑戦していく気概は絶対に必要です。

 

店舗ビジネス経営者の皆さんも

この動きを参考にして、自社で取り組める

ことを積極的に取り入れるように

してください。

 

指をくわえてみているとあっという間に

お客様は流れていきますよ。