ニュースの論点No.28 定額サービスを考える

さて、今回は定額制サービスである

サブスクリプションモデルについて

考えていきたいと思います。

 

サブスクリプションはもともと、雑誌の定期購読

の意味で使われていましたが、近年ではそれが

派生して、定額で一定期間の利用ができる

形態のものに使われるようになってきています。

 

最初は雑誌、その後webサービスでの

ソフトウェア利用などでこのモデルが使われ始め、

最近では飲食、服、車、書籍、動画、音楽など

さまざまなサービスが登場しています。

 

実際に飲食ではカフェでの月定額で

ドリンク飲み放題やラーメン店の月定額で

ラーメン食べ放題(11杯)などが出てきています。

 

Webサービスでは言わずもがなで、

Amazonやアップルも書籍や動画、音楽で

同様のサービスを提供しており、服では

エアクローゼットやメチャカリ、車では

ガリバーが月定額で乗り換え放題サービスを

提供しています。

 

Webサービス、あるいは車などの耐久消費財を

使用するビジネスはサブスクリプションとの相性は

良さそうですが、飲食業や小売業、美容室などの

小規模なサービス業で実店舗を構え、お客様に対して

モノやサービスを提供している企業にとって相性は

どうなのでしょうか。

 

まず前提としてお客様がその店舗を高頻度、

また長期で利用をする必要があります。

 

この点、飲食、特に食については「飽きる」

というボトルネックがあります。

飲食業については、サブスクリプションを導入する

にはまずここをクリアしなければなりません。

 

さらに重要な点として、いつ、どれだけお客様が

利用したとしても耐えうる体制を維持することが

挙げられます。

 

そのためには11でしかできないようなサービス

ではなく、1対多で対応できる体制を作る必要が

あります。

 

11のサービスであればいちいち予約が必要になり、

その手間があるために利用するモチベーションは低下します。

いつでも好きな時に使えないのは、月額を支払っている

ものにとって到底納得できるものではありません。

 

その上で、モノやサービスのクオリティを一定に

保たなければ顧客はすぐに離反するでしょう。

 

また場所の制約もあります。

人でのサービスと同様、席数が限られていれば、

それ以上のお客様をお迎えすることはできません。

月額制でこういうことが続けば、やはりお客様は

離れていくでしょう。

 

一方コスト面では、利用者が一人増えるごとに増える

コストが最小限、つまり限界コストがゼロに近くなる

ことが条件といえます。

 

モノやサービスを提供するのに、お客様が1人だろうが

10人だろうが100人だろうが追加コストがかからない

ということです。

 

モノであれば、何度も使える耐久消費財でなければ、

お客様の利用のたびに原材料費や仕入れが発生し、

定額制を効率よく運営することはできないでしょう。

 

サービスであれば、お客様が増えるごとにスタッフを

増やすとなると、たとえ売上が伸びたとしてもそれ以上に

コストがかかり、まさに貧乏暇なしの状態になってしまいます。

 

ここから導き出されるのは、小規模な店舗ビジネスでは

サブスクリプションを導入するのは容易ではない、

ということです。相性はあまり良くないと言えるでしょう。

 

ある程度の規模があるビジネスでなければ、

定額制に対するモノやサービスの提供が満足にできません。

 

存分な初期投資を行い、しっかりとしたインフラを

構築することが必須となります。

 

ですので飲食サービス業でサブスクリプションを導入する

際は、相当考えてやらなければ、多くの場合で失敗する

可能性が高いといえます。

 

小規模な店舗はいきなりサブスクリプションではなく、

まずは回数券などを使い、様々なテストをおこなうことで

自店に合った施策をミックスしていくことが現実的な

店舗運営ではないでしょうか。