ニュースの論点No.29 価値のある仕事

日本経済新聞は20171112日、

「内需企業の上期業績、明暗 コト消費、

テーマパーク恩恵 人手不足、スーパーなど

苦戦」と題した記事を掲載しました。

 

記事によれば、サービスや小売りといった

主に国内で稼ぐ企業の業績は今年の上期、

明暗が分かれてきているとのこと。

 

コト消費の需要は旺盛で、テーマパークや

映画などは業績が上向き、西日本を中心に

訪日外国人の購買意欲も底堅い状況です。

 

その一方でスーパーや運輸業などでは

人手不足や消費者の節約志向で減益を

余儀なくされそうだと報じています。

 

東京ディズニーリゾートや松竹、

ANAなどは旺盛なコト消費によって

好調を維持している中、スーパー大手の

ライフコーポレーションや運輸業の

ヤマトホールディングスは人手不足による

人件費の増加で苦戦を強いられています。

 

この記事については、「内需企業」や

「上期」という括りでなおかつ

比較する企業の数も少なく、

業種もバラけているため何ともいえない

記事ですが、日本経済をおおざっぱに

見るには使えるでしょう。

 

要するに売上に対する変動費率(原価率)が

それほど高くなく、大規模な設備で

稼働率を上げればそれがそのまま利益増に

つながるような業態が好調といえます。

 

そういった、いわば装置型サービス産業には

記事に挙げられているテーマパークや映画館、

交通業界のほかにホテル業界もあり、

やはり好調を維持しています。

 

逆に小売業のスーパーや運輸業などは、

現状どうしても労働集約型になってしまい、

数を捌くためには人を増やすしかなく、

売上の増加は確実に人件費の増加を伴います。

 

人手不足になってしまえば、それだけで

人件費に直接影響する上、そもそも扱う

商品がもともと低単価で利益率が低く、

他社との競合によりそこに低価格化の

圧力が加わります。

 

どんなに数を捌いてもこの状態では

利益は出にくく、さらに人手不足のために

その数も捌けなくなり、最悪の場合、

店舗数までも減らさざるを得ない状況となります。

 

業種は違いますが、ヤマト運輸も

人手不足の深刻化から取り扱う荷物の量を減らし、

27年ぶりに運賃を引き上げています。

 

今後無人レジや自動運転、ドローンなど

人が媒介しないでも済むシステムが広がって

くると考えられますが、まだ多少時間が

かかりそうです。

今の厳しい状況はまだまだ続くでしょう。

 

しかしながら、労働集約型の仕事はかならず

効率化され、人の手がかからなくなります。

小売業や運輸業がなくなることはないでしょう。

ただ、人の働き方は確実に変わっていきます。

変わっていかなければなりません。

 

社会が成熟化し、生活するための環境が

整ってくると、モノへのあこがれや

執着がなくなり、コト消費への転換がおこります。

 

店舗ビジネスでもコト消費を常に考えていかないと、

モノだけではいずれ立ち行かなくなります。

 

ただ単にモノを作る、売る、運ぶ、だけでは

近い将来、何の付加価値もつかなくなります。

 

気を付けていただきたいのは、まだ大丈夫だと

思っていたらいきなりその波が来るということです。

 

社会のインフラとなっているような業界は

無くならないにしても、人が受け持つ仕事は

かなり少なくなり、少数の管理者のみに

なるでしょう。

 

何回もお伝えしていますが、人手不足は

今だけです。

 

日経新聞が伝えているのは事実ではありますが、

現状の一部を切り取って見ているだけなのです。

 

何がこれから本当に価値を生み出すのか、

これを機会に店舗経営者の皆さんも本気で

考えてみてはいかがでしょうか。