ニュースの論点No.33 クロネコが服を売る?

 

 日本経済新聞は2017127日、

「駅ビルで通販の試着できます ヤマト

返品減らす」と題した記事を掲載しました。

 

 記事によれば、ヤマトホールディングスは

2018年から、インターネット通販で選んだ

衣料雑貨を駅ビルで試着できるサービスを

始めるとのことです。

 

 ヤマトが売り場の一部を借りて、無料の試着室

を設け、アパレル大手の三陽商会や靴専門店の

かねまつなど数社が参加します。

 

 181月からJR大森駅に直結する駅ビル

「アトレ」で実証実験を始め、18年度中に

アパレルなど40社に増やし、複数の駅ビルで

展開する考えだということです。

 

 消費者は通販サイトで購入した商品の受取先を

駅ビルにすることができ、仕事帰りなどに立ち

寄って試着し、気に入ったものだけを購入できる

ようになり、返品などの手間も省けます。

 

 アパレル側にとってはネット通販の返品を

減らせ、ヤマトは運賃、販売手数料収入を得る

ことができ、再配達の減少にもつながります。

 

 実証実験では購入時の決済となり、

試着後、購入しない場合は返金されます。

実用化の際は、試着室で気に入ったら、

接客する従業員に代金を払う方法を

検討しているそうです。

 

 ここから読み取れるのは、本当に業際が

なくなってきているということです。

運送会社が疑似売り場ともいえる試着スペースを

設け、従業員を雇い、それに対してメーカーが

販売手数料を支払う。

 

 最近ではほかにもアパレルネット通販大手の

ゾゾタウンがPBブランドを発表しました。

前もって「ゾゾスーツ」と呼ばれる顧客のサイズを

計測するウェットスーツ状のツールを配布し、

一人一人の正確なサイズを収集します。

 

 その後、顧客それぞれが自分のサイズに

合った商品を注文することが可能になり、

サイズによる返品はほぼゼロとなります。

 

 大多数の正確なサイズを把握することで

細かな在庫管理も可能となり、過剰在庫による

ロスが大幅に減らせます。

 

 そのサイズデータを取引先に提供することで

その取引先も恩恵を受けることができ、同じように

売れ筋の増産やロスのカットが実現します。

 

 取引先にとってはありがたい半面、情報が

握られていることで思うように動けないことも

あるでしょう。

 

 また、小売業の丸井グループも売り場の変革を

勧めています。商品サンプルだけを置き、在庫を

持たない店舗を徐々に広げています。

顧客は店頭で試着するのみで、気に入れば

店頭タブレットで注文し、商品は自宅に無料配送

されます。

 

 この丸井グループのモデルは先述のヤマトと

似ていますが、小売業である丸井がサンプルのみの

売り場をつくっており、販売員も自社の従業員である

ため、基本的には小売店舗の進化型だと言えます。

 

 様々な変化がおこっていますが、現状は店舗の

運営形態の過渡期であり、まさにカオス状態だと

言えるでしょう。

 

 何が正しいということはなく、試行錯誤を

繰り返しながらより最適な形へと進化していく

過程です。

 

 各社の方向としては、衣料品の廃棄問題や

人手不足による長時間労働などの問題を解決しつつ、

顧客満足にもつなげる動きであり、今後も方向性は

変わらず、むしろ加速されていくでしょう。

 

 店舗ビジネスをやる人間として、ここから

学べることはなんでしょうか。

 

 やはり環境の変化を恐れず、自ら進んで

変革していく姿勢と実践が必要だということです。

 

 「現状維持は衰退の始まり」

すでに言い古されている言葉ですが、真理です。

快適な場所に居座っていると、いつの間にか

取り残され、淘汰されていきます。

 

 あなたがやらなければ誰かが必ずやります。

指をくわえてみている暇はもうないでしょう。

それほど変化のスピードは速いのです。

 

 店舗経営者の皆さんは、ぜひ自ら変革を

おこなってください。

それだけが唯一信用できる道なのです。