ニュースの論点No.34 現金がなくなる日

 

 日本経済新聞は20171217日、

「イオンのレジで現金引き出し」と題した

記事を掲載しました。

 

 記事によれば、イオンは20184月、

店頭レジで来店客が現金を引き出せる

サービスを始めます。

 

 銀行のキャッシュカードを使い、受け

取ったおカネは自分の口座から引き落とされる

とのこと。

 

 クレジットカードを使わない高齢者、ATMが

近くにない地方在住者などにこうしたサービスの

需要は多いとみています。

 

 こうしたサービスは米国では一般的ですが、

日本では174月の金融庁の規制緩和で可能に

なりました。

 

 一度に引き出せる金額は1万円以下とする

ことを検討しているそうで、利用者から引き

出しの際に手数料を取るかについては、今後

詰めていきます。

 

 さて、日本では現金決済がまだまだ主流で

すが、現在、世界各国ではキャッシュレスの動きが

加速しています。

 

 112日のサンケイビズによれば、

「いち早くキャッシュレス社会を実現した

先進国は北欧で、スウェーデン、ノルウェー、

デンマークはいずれも国内総生産(GDP)に

対する現金の使用比率が5%を下回る」

 

「中でもスウェーデンに至っては現金使用

比率が2%。つまりキャッシュレス率が98%で

決済現場で現金がほとんど使われない」

 

「それに比べて日本はなお現金大国である。

15年末時点での現金流通高の名目GDP比は

19.4%で、ユーロ圏10.6%、米国7.9%、英国

3.7%と突出して大きい」

 

「モバイル決済の利用率に関しては同じく中国の

利用率が98.3%に対し日本はわずか6%という結果」

 

「中国のとあるメディアでは日本では現在、取引の

70%が現金取引で、先進諸国の水準(約30%)を

大きく上回っていると報道」(以上サンケイビズより抜粋)

 

 

 なぜ日本ではキャッシュレス化が進まないのか、

についてはあらゆる要因が考えられ、ここで一口に

説明できることでもないため、背景の詳細は省かせて

いただきます。

 

 ただ一つ言えることは、先述の記事にもあったとおり、

日本では高齢者の数が多く、人口の約3割が65歳以上

となっており、その大半がクレジットカードやモバイル

決済ではなく、なじみのある現金決済で済ませている

ことが大きな要因の一つだということです。

 

 そのため、イオンもレジでの現金引き出し

サービスを始めるに至ったと考えられます。

 

 しかし、利便性や安全性を考えれば 

キャッシュレス化の波は今後さらに大きくなる

のは必然であり、避けられないものです。

日本もどんどん進んでいくでしょう。

 

 レジで現金を引き出す意味がなくなる時代が

遠くない将来、間違いなく来ます。

 

 今はその過渡期であり、新旧の決済方法が混在して

いる状況です。何が正解ということもなく、生き残った

ものが使われる、としかいえません。

 

 お客様からすれば、決済方法の選択肢は多いほうが

ありがたい半面、店舗からすると煩雑かつコストも

かかり悩ましいところです。

 

 しかしこれからの流れを考えれば、現金のみの

決済だけ受け付けるような店舗運営は危うくなって

くるのは目に見えています。

 

 店舗経営者の皆さんは、この時代の流れを

しっかりと読み解き、必要な投資はどんどん

していかないと気づいたら置いてけぼりに

なってしまいます。

 

 団塊世代の方々が元気なうちは旧来の

サービスが一気に無くなることはないと考え

られますが、世代交代が進むにつれ、状況が

激変する可能性が非常に高いのです。

 

 それをまだまだ先と考えるか、それとも

今のうちから手を打っておいて、来るべき時に

備えるのか、5年後、10年後はその差は埋めようが

ないほど大きくなっているでしょう。

 

 店舗経営者の皆さんは、常に将来を見据えて

行動するようにしてください。

 

 決済方法一つとっても将来を決める重要な

要素の一つなのです。