ニュースの論点No.35 2017年を振り返る

 

 早いものでもう2017年が終わろうと

しています。このメルマガも今号が本年最後

の配信となります。お読みいただきました

方々、1年間ありがとうございました。

来年からもどうぞよろしくお願い致します。

 

 さて、毎回さまざまなニュースを取り

上げ、その背景や本質を考えてきた

“ニュースの論点”ですが、今回は2017年の

最終号ということで、取り上げてきたニュース

からこの1年間を振り返り、総括してみたいと

思います。

 

 店舗に関わるニュースを中心に取り上げて

きましたが、多くのニュースに通底している

事象として、“人手不足”が挙げられます。

 

 店舗の自動化や無人化、定休日の導入や

スタッフのシェア化、時給の高騰、好業績にも

かかわらず廃業数が増加傾向、配送料の値上げ…

などなど挙げればキリがないくらい、人手不足の

影響を直接的、間接的に受けているニュースが

多く見られました。

 

 もっとも、人手不足ではなかったとしても

ITAIなどのテクノロジーの進展による変化は

不可避のものでしょう。

 

 しかし人手不足がこれまでの価値観を

根本から見直すきっかけになっていることも

事実です。

 

 年中無休や24時間営業、過剰な店舗数に

過剰な在庫、それに伴う過剰な安売りや過剰な

サービスなど…

 

 これまで当たり前だと思っていたものが

人手不足という事象により、必然的に提供

不可能となり、以前よりも不便(かどうかは

その人次第ですが…)な状態を受け入れなければ

ならなくなりました。

 

 それまでの価値観が異常で、徐々に普通に

戻っているのか、はたまた人手不足が解消すれば

またもとの状態に戻っていくのか…

 

 いずれにしても、現在の人手不足には何らかの

対策が必要であり、そのことがそれぞれの

ニュースとなって切り取られ、報じられて

いるのです。

 

 各店舗での人手不足対策は千差万別、

状況によってどうするかは全く異なっており、

自店に参考になる時もあれば、同じことを

やっても逆効果の場合もあるでしょう。

 

 であればこそ、各店舗の経営者、店長は

しっかりと現状を把握し、本質をとらえ、

将来を見据えて手を打たなければならないのです。

 

 そのためには、日々のあらゆる情報を

目一杯アンテナを広げ、集めておく必要が

あります。

 

 その情報を一面からだけでなく、多面的に

観察、洞察をしながら本質に迫ることでようやく

店舗経営のスタートラインに立てます。

 

人手不足の例で見れば、要は

「需要はあるが、供給できない」

であり、言い換えると

「お客様はいるが、スタッフがいない」

ということです。

この矛盾、つまり需要と供給のアンバランスを

どう解決するのか。

 

人を採用するために時給をアップする。

業務の見直しで無駄を省く。

今いる人を効率よく動かす。

営業時間を短縮する。

営業日を減らす。

提供するサービスを削減する。

設備投資をおこない業務を効率化する。

店をたたむ…

 

 だいたいこうなりますが、これがニュースと

なっているのです。

 

 どれも対症療法としては有効です。

しかし長期的に見れば、問題の解決には

ならないでしょう。

 

 というのも、何回もお伝えしていますが、

人手不足は今だけの現象だからです。

まず、需要は必ず減少します。単純に人口が

減少しているからです。

 

 そして供給側の仕事、特に簡単で作業的な

労働はテクノロジーの進展により自動化される

でしょう。そもそもの運営に人手がかからなく

なるのです。そして徐々に高度な仕事も自動化

されていきます。

 

 ということは、現状では人手不足に対応しつつ、

本質的な解決としては、選ばれる店となるために、

どんな価値、すなわちサービスを提供するか、

を今から考え、つくりあげておかなければ、

間違いなく淘汰されるということです。

 

 雇っているスタッフも、作業的なことばかり

毎日やらせていると使い物にならなくなります。

自らのアタマで考え、自律的に行動できる人財に

しておかなければ、路頭に迷わせることになります。

 

人が足りないからもっとカネを出して人を雇う。

人が足りないから休みを増やす。

人が足りないからサービスを減らす。

人が足りないから店をたたむ。

 

 いずれも間違いとはいいませんが、近視眼的に

問題に対処していると、いずれ足元をすくわれる

でしょう。

 

 経営者の皆さんもこの1年のご自身の経営を

振り返り、将来を見据える時間をぜひつくって

みてください。

 

会社の将来をつくるのは経営者の一番の仕事なのです。