ニュースの論点No.36 誰が家まで届ける?

 

 201812日、東洋経済オンラインは

「新聞販売店が飲食店の出前まで始めたワケ」

と題した記事を掲載しました。

 

  記事によれば、「国内最大級の出前仲介サイト

「出前館」は、新聞販売店との協業で配達

スタッフの確保に乗り出した」とのこと。

 

 「出前館の加盟店舗数は現在、15000店舗を

超えるまでに拡大。アクティブユーザー数は

201711月末時点で245万人に上る」

 

 「加盟店舗数の拡大は出前館を運営する

夢の街創造委員会にとっても成長の必須条件だ。

だが、配達機能がない店は加盟できないことが

ネックとなっていた。そこで、配達スタッフを

出前館側で提供する仕組みを構築した」

 

 「出前の配達にはバイクと人が必要になるが、

出前館側は自ら抱えず、201612月に業務

提携した朝日新聞の販売店ASAが提供する」

 

 「新聞販売店でバイクが稼働しているのは

朝刊を配る早朝と、夕刊を配る午後24時頃だけ。

ちょうどおなかがすく時間帯は稼働していない。

バイクが空いている時間帯に出前をしてもらおう、

というのが今回の試みだ」

 

 記事からの抜粋でまとめると以上の内容に

なります。

この試み自体は非常に良いことだと思います。

今流行りの、と言っては何ですが、いわゆる

シェアリングエコノミーを地でいっている感じ

ですね。

 

 シェアリングエコノミーの代表格と言えば、

配車サービスのUberと民泊サービスのAirbnb

が挙げられます。

 

 サービスの詳細は省きますが、双方とも

空いている場所や車というリソースを活かす

プラットフォームとして定着しています。

 

 特にUberUberEATSという、登録した

レストランの料理を一般人が配達するサービスを

2016929日、新たに開始しています。

 

 これは今回の出前館の事例とほぼ同じような

サービス内容と言え、料理を提供する店舗に

とってみれば、人件費や設備投資など、比較的

大きい投資をせず、デリバリー市場に参入しやすい

状況が訪れてきているといえます。

 

 しかし、問題点もあります。出前館の事例で

いえば、新聞販売店側は既存の新聞配達員を

そのまま出前に使うのではなく、新たに雇う

必要があるということです。

 

 なぜなら、新聞配達員はアルバイトとして

の人員が大半で、日中は学校やほかの仕事が

あるため、出前には回せない、との理由からです。

 

 また、バイクにしても、新聞配達に使用している

ものをそのまま出前に使うことはできず、これも

また新たに購入したり、または改造したりしなけ

ればならず、効率よく回していくにはまだまだこ

のような問題が多く残っています。

 

 人もバイクも使えなければ、結局別のサービス

を立ち上げるようなものになります。多少のノウハウ

は使えるかもしれませんが、新聞販売店側は相当考えて

参入したほうが良いでしょう。安易に手を出せば既存

事業のオペレーションを破壊し、会社の経営を脅かす

きっかけにもなりかねません。

 

 ヤマト運輸をはじめとした運送会社各社も

人手不足への対応で四苦八苦しています。

そんな中、出前だけの新たな人財を採用するのは

かなりの苦労を強いられるでしょう。

 

 今回の記事を見た瞬間、ずいぶんうまいことを

考えたな…と感じましたが、やはり最初からそう

上手くコトは運ばないということでしょうか。

 

 ただ、先述したように着眼点としては非常に

良く、時間をかけて課題を克服すれば、関係者

すべてにとってプラスになる事例になると思います。

 

 デリバリーという業態も、高齢化で外出が

思うようにできない人たちにとってみれば非常に

使い勝手のいいサービスです。これからさらに

伸びることが予想されます。

 

 店舗、宅配、プラットフォーム各者がアイデアを

持ち寄り、顧客に対するより良いサービスを提供し

続けることが生き残る唯一の道です。

 

 弊社も少しでも多くの店舗の力になれるよう、

微力ながらサポートしていきます。