ニュースの論点No.39 無人店舗の意義

                     

 日本経済新聞は2018123日、「アマ

ゾン、米に無人のAIコンビニ」と題した記事

を掲載しました。

 

 記事によれば、「米アマゾン・ドット・コム

22日、米シアトルに無人のコンビニエンス

ストアを開業する。人工知能(AI)の技術を

駆使してレジをなくした。来店客は買いたい

商品を棚から取り出し、そのまま外に出るだ

けで自動的に支払いが済む」とのことです。

 

 また、「店内には買い物かごもなければレジ

待ちの行列が生じることもない」

「店内それぞれの客がどの商品を選んだかを

天井に大量に設置されたカメラや棚のセンサ

ーを通じて常時把握している」と伝えていま

す。また品揃えは食品、飲料が中心となって

います。

 

 アマゾンは2016年にこの計画を発表して

おり、2017年に一般向けの店舗をオープン

予定でしたが、少し遅れてのオープンとなり

ました。

 

 アマゾンはこの店舗形態をシアトル以外の

地域にも広げるかどうか明らかにしていませ

んが、これまで相当な投資をしているとみら

れており、どういう形にしろ拡大していくこ

とは間違いないでしょう。今後の展開が注目

されます。

 

 日本でも、以前このニュースの論点で触れ

JR東日本の大宮駅にあるコンビニ「ニュ

ーデイズ」で同じような無人店の実証実験を

おこなっています。仕組みはアマゾンと似た

ようなものになっており、アマゾンの二番煎

じともいえる業態です。

 

 上記以外にも様々な形で無人店舗が広がっ

ています。現在はその変化の只中にあり、何

が残るのか、それともまた新たな形が表れる

のか、読めませんし正解はありません。

 

 これまで店舗ビジネス、特に小売店では、

在庫の把握や現場の労力軽減、トレーサビ

リティなどの観点から無線タグの開発、導

入が進んできました。

 

 ユニクロも1年以内に、国内外2000

舗に無線タグの一つであるRFIDを導入す

ると発表しています。

 

 RFIDはまだまだ単価が高く(110

程度)、アパレルのような、食料品などと

比べると単価の高いアイテムには導入しやす

い半面、コンビニなどの低単価の商品につけ

るにはコスト面での課題があります。

 

 それに対してアマゾンは、RFIDなどの無

線タグを商品の一つ一つに付けるようなやり

方ではなく、お客様の動きも含めた店舗を丸

ごと把握する力技で、既存の店舗形態を一気

にひっくり返す仕組みとなる可能性がありま

す。

 

 現在、店舗の省人化、無人化という流れの

中で、各社がしのぎを削っている状況です。

が、見誤ってはならないのが、店舗を無人に

することが目的ではないということです。

 

 何のためにやっているのか、という問いは

自分に対していつでもしなければならない質

問です。

 

 無人にすることでお客様、自社にとってど

ういうメリットがあるのか。デメリットはな

いのか。そもそもどういうビジョンをもって

取り組んでいるのか。

 

 いずれ無人の店は増えていくでしょう。

それに伴い、有人店舗の価値は相対的に上が

っていくことも予想されます。

有人店舗の価値は上がりますが、それ相応の

サービスを提供できなければ支持されないの

は明白です。

 

 有人店舗で選ばれる店になるためにはどう

すればいいのか。

 

 そもそもうちはどういう店舗運営を行って

いくのか。

 

 店舗ビジネス経営者の皆さんは自ら自分に

問い、決断して未来を創っていかなければな

りません。

 

 流れを作るのか。流れに乗るのか。流れに

飲み込まれるのか。すべては経営者次第なの

です。