ニュースの論点No.4 催事は目的か手段か

 

 

三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長

20173月期決算の発表記者会見において、

 

「お話しするのも恥ずかしいが、

1億円のコストをかけて、1銭の利益も

出ない催事を一生懸命やっていた」

 

と伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、および

銀座店のコストコントロールが

全くできていなかったことを説明。

 

同社の連結売上高は12534億円で2.6%減、

純利益は149億円で43.5%減と競合他社

Jフロントは増益、高島屋は減益ながら12.4%減)

に後れをとっているということです。

 

三越伊勢丹は前任の大西洋前社長の

電撃的な辞任により、現在の杉江社長に

代わり、この発表は社内外へ向けての

刷新アピールも含まれていると思われます。

 

しかしながら前任者の路線をことごとく

否定するような発表となっており、

今後、社内の連携はうまく取れるのでしょうか。

 

三越伊勢丹にとって現状がかなり厳しい

ものであることは間違いないですが、

その原因を前任者へと責任転嫁する

姿勢には疑問符を付けざるを得ません。

 

特に、コストコントロールが出来ていなかった

一例として、催事への言及をされていますが、

これは店舗経営者として納得ができないですね。

 

そもそも催事とは書いて字のごとく、

催し物をとり行うことです。

つまり一時的なもので、期間が限定されている

催し物と解釈されます。

 

年単位の継続的な店舗や売り場とは違い、

数日、長くても数週間程度の期間で

おもに集客を担うのが催事の役割と私は

考えます。

 

そう考えると、催事自体で利益を出すこと

は一義的ではなく、催事による増客効果で

全体としての売り上げ増を狙うのが催事の

本質だといえます。

 

このことを理解していなければ、

冒頭にでてくるような勘違いした発言に

つながります。

 

何でもかんでも、いつでもどこでも

利益を出せるような仕組みは

素晴らしいと思いますが、

そんなものは存在しません。

 

店舗ビジネスであれ何であれ、

「投資」というのは絶対に必要です。

 

店舗のような、基本的に“待ち”

の仕事では、集客のための投資が

繁盛のための絶対条件となります。

 

そこをケチくさく使わずにいて

お客様を待つのはおめでたいとしか

いいようがありません。

 

コストを減らすだけで売り上げは伸びません。

コスト削減は経営が厳しいから、また、

思いついてするのではなく、

良くても悪くても年がら年中、常におこなうものです。

 

百貨店はなおのこと、さまざまな催事で

自身のブランド化につながるにもかかわらず、

そこで儲けようとして、1銭の利益にもつながらない

とは視野狭窄もはなはだしいですね。

 

こういう考えで経営をしていけば、

いくら業界トップでも百貨店業界での

生き残りは難しいでしょう。

 

これは小さな商店や、飲食、美容室などの

サービス業店舗にも言えることで、

趣味でやっているならいざ知らず、商売として

やっている店ならば「投資」は常に

必要です。

 

投資は実験とも言えます。

余りに頭でっかちで、採算ばかり考えても

差別化できない。

かと言って何も考えずに無謀なお金の使い方

をするのはさらにまずい。

 

投資の定石としては、まずは効果をみるために

一部へテストをすることです。

そこで効果が見られたら、規模を大きくして

更なる反応数増をめざす。

 

そうやって徐々に大きくしていくことで

無理なく、最適な投資ができる。

 

特に集客をするにはあらゆる媒体への

広告が必須になります。

 

あまりにちまちまとやってしまうと、

効果も何もあったものではないですが、

その基準を知るための投資であり、

使用する広告料や規模、媒体や時期など

あらゆることが実験となります。

 

ですので、前向きであり、事後に検証が

可能な投資は無駄になりません。

反応がなければ、それがその効果なのです。

 

そして常に改善修正をおこなうことで

その知恵が集積され、効率の良い集客が

できる投資になるのです。

 

店舗経営者の皆様も、集客についての

積極的な投資は必ず行ってください。

効果がなかったことを恐れないでください。

 

何もしないほうが、ゆくゆくは店舗の

死を早めます。

 

永く継続する店舗をつくるために、

しっかりと考えた投資をおこないましょう。