ニュースの論点No.41 のみ込まれるか、迎え撃つか

  

 日本経済新聞は201824日、「アマゾ

ン、アパレルの陣」と題した記事を掲載しま

した。

 

 記事によれば、「あらゆる産業をのみ込むア

マゾン・エフェクトが日本のファッション業

界を揺るがしている」「今春都内にアマゾンが

開く撮影スタジオは日本を開拓する意思表示

と受け止められた。14兆円規模と新車販売に

匹敵する市場でゾゾタウンやユニクロが迎え

撃つ」とのことです。

 

 また「書籍や日用品のネット販売で世界の

消費地図を塗り替える米アマゾン・ドット・

コムはリアルの小売りを次々に駆逐した。」

「売上高は日本円換算で20兆円近い。クレ

ジットカードや住所、購買履歴を組み合わせ

た分析で売れ筋商品を巧みに推奨して販売に

つなげる。品目も生鮮食品まで広げより安く、

早く、便利にという欲求に応えて先進国から

新興国まで事業を広げ続ける」としています。

 

 そのアマゾンが日本の衣料品市場に本格的

に参入する理由としては、14兆円ある市場の

ネット通販比率が1割程度であり、伸びしろ

が大きいとみたためで、これに対し日本国内

の衣料品業界各社はネット、リアルを問わず

様々な反応を示しています。

 

 「アマゾンでブランドイメージを伝えるの

は難しい」「サイトが無機質な印象」などアパ

レル関係者からは声が上がっています。

 

 しかし今は国内衣料品のネット通販大手と

なっているゾゾタウンが出てきた当初もそう

いう声が大半で、店舗の開拓に非常に苦労を

したと同社社長の前澤氏は述べています。

 

 どの業界もそうですが、新しいサービスが

誕生すると、間違いなく既存のプレーヤーは

拒絶反応を示します。今は否定的な反応をし

ていても、その動きが大勢を占めれば結局そ

の流れに乗らざるを得ません。

 

 特に業界では老舗と言われるような企業は

気を付けなければならない状況です。衣料品

業界でいえば百貨店や、その百貨店を販売チ

ャネルに持つ大手アパレルメーカー各社です。

 

 前述のようにアメリカではかなりの数の小

売店が閉店を余儀なくされています。2017

年は8640店舗が閉店したといわれ、今年は

それ以上の数が閉店すると予想されていま

す。ネット通販の隆盛が大きく影響している

のは間違いなく、国の違いはあれど、日本も

似たような状況となる可能性があります。

 

 現在の激しい転換期の中で現状維持を求め

ることは死を意味します。業界を問わず、老

舗企業には積極的な攻めの経営が必要です。

 

 「アマゾンはサイトがダサいから衣料品は

売れない」と言っている間に業界地図が変わ

るかもしれません。

 

 アパレルメーカーやセレクトショップも自

社サイトで販売を行っていますが、その規模

は小さく、ネット通販大手に頼らざるを得な

い状況です。

 

 リアル店舗の存在意義が問われている中で、

競合が激しくなりつつあるネット通販をどう

展開していくのか、アパレルメーカー、小売

各社の動きに注目されます。

 

 一方のゾゾタウンも現在は強い地位を獲得

していますが、アマゾンの本格参入は少なか

らず影響を受けるでしょう。

 

 現在日本国内での衣料品ネット通販最大手

はそのゾゾタウンで取扱高は1919億円となっ

ています。(20173月期。ゾゾの売上とし

ては取扱高の28%の手数料収入で552億円)。

 

 ゾゾの魅力は細やかなサイズの計測でユー

ザーにわかりやすくしている点や店舗スタッ

フ、モデル、タレントなどを使ったコーディ

ネートをセンス良く提案し、洗練された買い

物環境を提供している点があげられます。

 

 また以前にもお伝えしましたが、ゾゾはプ

ライベートブランドを準備中であり、その一

環としてゾゾスーツ(採寸用)を開発。配送

200円のみで希望者に配布しています(大

幅に遅延しています)。

 

 このように日本では独自の存在感を示して

いるゾゾですが、アマゾンの本格参入により、

衣料品ネット通販において真っ向勝負となる

のは明らかです。ゾゾだけではなく、同業他

社も戦略の見直しを迫られます。

 

 消費者としては選択肢が増えて喜ばしい限

りですが、当事者であるネット通販各社は正

念場です。

 

 店舗経営者として直接的に関係ある方はす

でに自分事として考え、行動していると思い

ます。しかし直接関係なくても、経営者とし

て自分たちの業界と置き換えて、自らのアタ

マで自分だったらどうするかを考えてみてく

ださい。

 

 必ず役に立つ時が来ます。