ニュースの論点No.47 モッタイナイですね

  日本経済新聞は2018320日、「セブン、サンドイッチの賞味期限長く」と題した記事を掲載しました。記事によれば、「セブンイレブンジャパンは20日、サンドイッチの主力品で賞味期限を3割伸ばす。製法の変更により時間がたっても味や食感が落ちないようにした。イオンやファミリーマートも包装を変えて賞味期限を延長する。」とのこと。

 

 セブンイレブンはサンドイッチの小麦粉の配合を増やすことで、レタスなどの水分が食感に与える影響を抑え、それまでの30時間から40時間の賞味期限となります。また、イオンは傘下のスーパーで、酸化や細菌の繁殖を抑える包装を採用して1.5倍程度、賞味期限を延ばしています。ファミリーマートは窒素ガスを充填した容器に入れた惣菜で賞味期限を2日前後から約5日に伸ばしています。(同記事より抜粋)

 

 コンビニエンスストアでは特に食品ロスの問題が深刻となっています。今回の賞味期限の延長は店頭に並べる時間が長くなり、売上アップと食品ロスの削減の両方に効果があるということで、非常に良い施策だと思います。添加物等を追加せずに賞味期限が延ばせるわけですから、消費者にとってもその恩恵は大きいでしょう。

 

 その一方で、コンビニエンスストアは23日(節分)の新習慣として最近広まりつつある「恵方巻」の大量廃棄問題が取りざたされています。消費を喚起するイベントとして、毎年徐々に規模が大きくなってきており、その分廃棄される量も相当数増えているとのことで、賞味期限延長と施策としては矛盾しています。ここは大いに改善の余地があるでしょう。

 

 もっとも食品ロスはコンビニエンスストアだけの問題ではなく、飲食店でも避けることができない大きな問題と言えます。特に居酒屋など宴会の席ではコミュニケーションが主となり、コースなどで出された料理が全く手を付けられず、そのまま廃棄されてしまうことも少なくありません。皆さんも経験があるのではないでしょうか。

 

 そのため、「3010運動」という取り組みが広がってきています。これは、「宴会の開始から30分と閉宴10分前には席に座って食事を楽しむ」という運動であり、2011年に長野県松本市で始まったそうです。飲食店としてもお客様から代金の支払いがあれば損をしていることはありませんが、捨てるために料理を作るのは何とも物悲しいむなしさがのこります。飲食店側からもお客様に働きかけたい運動ですね。ちなみに農林水産省のデータで、「消費段階における食品ロス率」というものがあります。その中でロス率23.9%とダントツで大きいのが結婚披露宴となっています。その次が宴会の15.7%ですね。売上も大事ですが、非常に考えさせられる内容です。

 

 現在日本では、年間約1700万トンの食品廃棄物が出されているそうです。このうち、売れ残りや期限切れの食品、食べ残しなど本来食べられたはずのいわゆる「食品ロス」は500万トン~800万トンとされています。これはわが国におけるコメの年間収穫量850万トンに匹敵し、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量390万トンを大きく上回る量です。(政府広報より)

 

 コンビニや飲食店の取り組み以外でも様々な形で食品ロスを削減する試みがなされています。それぞれは小さな一歩かもしれませんが、その積み重ねが大きな成果としてあらわれます。店舗経営者の皆さんも、一度食品ロスの観点から考えてみられてはいかがでしょうか。

異なる視点から新たなアイデアは生まれてきます。