ニュースの論点No.5 コスト増加はチャンス

日本経済新聞社がまとめた2016年度の

飲食業調査(524日付朝刊)で、

17年度中に値上げを予定する

企業が3割強に上ることがわかりました。

 

調査は3月下旬から4月下旬に飲食業を

主な事業とする企業を対象に実施し、

325社から回答を得ています。

 

記事によると、「飲食業界では深刻な人手不足

を背景に人件費が上昇しており、豚骨ラーメンの

一蘭などが一部を価格に転嫁する」

 

16年度は約9割の企業が時給を引き上げた。

コメや肉などの食材も価格は上昇傾向で、値上げ

がさらに広がる可能性がある」と伝えています。

 

人件費や原材料費の高騰による

商品の値上げはいわゆるコストプッシュ型

(悪いインフレ)であり、消費者の理解が

得られず、基本的には業績へ悪影響を及ぼします。

 

また、現在の日本で言えば、物価は

20年以上横ばいであり、実質的には

デフレ(物価の持続的下落)となっています。

 

その中で民間企業の平均給与(年収)

はこの20年で460万円から420万円と

40万円下落しており、可処分所得

(自由に使えるお金)は目に見えて

減少しています。

 

物価は変わらず、収入が減るということは

当然、財布の紐は固くなります。

 

それを証明するように、2人以上世帯の消費支出

は、この20年でひと月35万円から30万円と

5万円下落しています。

 

年間にすると60万円!とかなり

大きい下落幅であり、年収の下落を上回る

倹約志向となっていることがうかがえます。

 

こういった状況の中で商品の値上げをするのは

非常に難しい経営判断です。

 

しかし、価格を上げなければ収益が上がらず、

最悪の場合赤字に陥ることになり、それが続けば

手痛いダメージを受けることになります。

 

大手はまだ体力があるので持ちこたえることが

できますが、飲食、美容、サービスなどの

大半は中小企業です。

 

様々な外部環境からの圧力で値上げをせざるを得ない

状況は避けられない部分もありますが、

安易な値上げは、安易な値下げと同様に顧客様から

の支持は得られません。

 

普段から価値ある商品を創り、その価値を

お客様に常に提供し続けることが重要です。

 

その積み重ねからお互いの信頼関係が

構築され、正当な価格の変更であれば

顧客様は納得してくださり、継続して

購入していただけます。

 

ただ、正当な値上げとは言っても、

いつも購入する同じ商品がただ単に高くなったら、

買う側としては少し損をした気持ちになりますよね。

 

それが続くと、小さなことでもストレスとなり、

信頼関係があったとしても、

顧客離れにつながってしまう恐れがあります。

 

したがって価格を上げる場合は、

原材料の高騰が理由だとしても、

かならず付加価値を足していくようにしてください。

 

飲食店であれば、別の食材で分量を増やしたり、

盛り付け方を工夫したり、皿、容器を変えてみたり、

最後は客席で仕上げるなど、演出で提供方法を変えてみたり…

 

考えればいくらでもできると思います。

 

無理はいけませんが、知恵と工夫があれば

ピンチをチャンスに変えることはできます。

 

そしてそれが本当の差別化へつながるのです。

 

特に大企業に比べ経営資源に乏しい

中小企業こそ実践してほしいですね。

 

常に自信をもって行動していきましょう!