ニュースの論点No.78 ハロウィーンは企業の祭り?

 

 「ハロウィーン、マンネリ退散、小売り各社、独自色」20181022日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「ここ数年一気に広がったハロウィーンが、ここにきてスタイルが多様化。市場拡大に一服感も出ている。各社がマンネリ打破のため、独自色のある提案を打ち出している。」

 

 「日本誕生日協会によると、2018年のハロウィーンの推計市場規模は前年比5%減の役1240億円と2年連続で減少する見通し。バレンタインに肩を並べる市場規模に成長はしているが、伸び悩んでいる。」としています。また、「なぜみんなで街に出て騒ぐのか?と自分の行動を見直す人も増え、家族や友人と過ごす契機にするという傾向も強まっているという」とのことです。

 

 そんな市場環境の中、小売り各社は、着るだけで手軽に仮想できる3DフェイクTシャツ(ドン・キホーテ)、水だけで顔にペイントができるジュエルタトゥーBUNNY(東急ハンズ)など、今までよりもっと気軽にハロウィーンを楽しめるような商品を提案し始めています。要は今まで参加していなかった人たちを取り込んでいきたいのでしょう。

 

 ハロウィーンが日本ではっきりと定着し始めたのは2010年代に入ってからではないでしょうか。ここ数年は年中行事のごとく10月に入ると、どの店もハロウィーン一色になります(そもそもハロウィーンは古代ケルト人が起源とされる祭りで、アメリカで祝祭日として記録されたのは19世紀初頭以降。Wikipediaより)。

 

 日本は宗教を問わず世界中(主にアメリカ)のさまざまなイベントを輸入し、自国独自の風習にアレンジするのが非常に上手い?国でもあると感じます。クリスマスやバレンタイン、ホワイトデー、エイプリルフール、母の日、父の日、ハロウィーン、ボジョレーヌーボー(ちょっと違う?)などなど…

 

 これらすべてに通じるのは、企業の思惑が透けて見えることです。地域の小さな祭りや風習で終わらせず、少しでも可能性があれば、どこの国の何であろうが、「売上」に変えたい企業のたくましい商魂から広がっていったイベントがほとんどだといえます。

 

 そのイベントを「やって当たり前」レベルまで押し上げることができれば、大半の日本人の傾向として、他の人もやっているんだったら…となし崩し的に強制参加させられる人が後を絶たなくなります。結果としてそのイベントが定着し、日本の新たな風習として生き残っていくのです。

 

 もちろん何でもかんでも導入したイベントが定着することはないでしょう。しかし、時期や内容がかみ合えば、これからも新たなイベントが入り込む余地は十分ありそうです。前述したイベントはなぜか1年のうちでバランスよく配されていますね。これは結果としてなのか、狙ったものなのかは定かではありません。偶然が味方することもあるでしょう。

 

 あらゆる年中行事といわれるイベントについては、その起源や定着した経緯はどうあれ、基本的に良し悪しはなく、店舗ビジネス経営者としては積極的に利用すべきものだと思います。拝金主義の企業が作った偽物の文化だ、とかそんな人工的な記念日やイベントに意味はない、などと言って否定するのか。あるいはそれでもその日に相手を思って贈り物を考えている人や、また仲間と楽しい時間を過ごしたいと思っている人のお手伝いをすると考え、活用するのか。

 

 永く繁盛する店舗ビジネス経営者であれば、どう考え動くでしょうか?

ちょうどハロウィーンのこの時期、その価値観が問われます。