ニュースの論点No.8 セールは本当にお得なのか

 

日経新聞(web618日)によれば、

ファッションビルのルミネが今夏セール時期を

後ろ倒しし、従来より10日ほど遅い728

とすることがわかりました。

 

近年は9月になっても暑く、薄手の衣料品は

長く売れるため、定価販売の時期を長くして

各テナントの収益力を高めることが狙いだと

いうことです。

 

セール後ろ倒しの流れは百貨店の

三越伊勢丹が先んじており、2012年の夏から

ルミネと同じ理由でセール時期を

後ろにずらし、7月中旬のスタートとしています。

 

当時、三越伊勢丹以外の複数の商業施設も

それに追随し、合わせて後ろ倒しをしたものの

その効果はほとんどなく、2013年の冬のセールでは

三越伊勢丹以外の商業施設は従来通り、

初売りと同時にセールを開始しています。

 

その後も結局セール開始時期はそのままで、

定価で売れる時期(特に春夏シーズン)

が非常に短い状況となっています。

 

その中でルミネがセール開始を後ろ倒し

することは基本的にはまっとうなこと

だと思います。

 

店舗の収益力が上がれば、当然会社自体の

収益が向上し、現場の待遇改善にもつながり、

新たな投資にもつながり、それがさらに

良いサービスを生み、好循環となります。

 

大きく見れば、モノやサービスが正規の価格で

売れることで、景気にも良い影響を与えるでしょう。

 

しかしながら、それでいいのでしょうか。

時期をずらすだけの、いわば対症療法がどこまで

通用するでしょうか。

 

問題の本質はそこではないと強く感じます。

 

まずはセールをせざるを得ない大量の

不良在庫の問題があります。

 

これが売れると分かればすぐに模倣し、

売り場に並べる。結果的に同じような商品が

どこに行っても大量に陳列されています。

 

日本全国、特徴のない同じような店になって

いるのは皆さんもご存知でしょう。

 

モノが足りなかった高度経済成長期の

日本であれば、そのやり方でも通用したかもしれません。

 

しかし今はあらゆる業界でも見られるように、

モノを所有することに対しての欲求が減少しています。

 

そんな中で未だにファーストリテイリングの

柳井会長兼社長がいうような「散弾銃商法」

をやっても不良在庫が積みあがるだけでしょう。

 

その大量の不良在庫の廃棄ロス分は前もって

定価の中に組み込んであります。

 

そういう商品を定価で売る時期を長くするのは

どうなんでしょうか。

その価値がないにもかかわらず、高い定価で売る。

 

お客様は情報を持っています。

そして重要な情報はすぐに共有されます。

 

各メーカーや店舗側の理屈で商売をやっていると、

まず間違いなく潰れます。

 

これは店舗ビジネス経営者や、店長やスタッフ

にも必ず理解してほしい大切な部分です。

 

今現在、20年前や10年前にくらべ、

圧倒的にあらゆる情報が公開され、透明化しています。

 

お客様を欺くようなやり方をしていれば、

すぐに退場を余儀なくされます。

 

その価値に見合った価格をつけることは

お客様との信頼関係を構築する第一歩でもあります。

 

適正な価格であれば、不良在庫になることも

少ないはずです。

 

そうすれば安易なセールをせずにすみ、

必然的に店舗の価値はどんどん高まります。

 

安いから買うというお客様は、価格しか見ていません。

そこに流されず、価値を伝える努力を

していってください。