ニュースの論点No.94 オタクを味方に

 

 「18年のオタク市場消費、『アイドル』最多で一人10.3万円」2019213日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「アニメや漫画など国内のオタク市場が活発だ。なかでもアイドルへの支出が一人当たり年103543円と他の分野よりも多く、前年から17%増えたことが矢野経済研究所の2018年の調査で分かった。」

 

 「人数では漫画が640万人でトップ、アニメが598万人と続いた。」「人数、一人当たり消費額ともに順調に伸びるのが、金額でトップ、人数で3位のアイドルだ。金額は17%増え、人数も280万人で6%増えた。人数の増加以上に消費額の伸びが目立つ。」としています。

 

 そもそもオタクとは「1970年代に日本で誕生した呼称で、主に大衆文化の愛好者を指す。元来は漫画、アニメ、アイドル、SF、特撮、女優、パソコン、コンピュータゲーム、クイズ、模型、鉄道、格闘技などの、なかでも嗜好性の強い趣味や玩具の愛好者の一部が二人称として『お宅』と呼び合っていたことを揶揄する意味から派生した術語で、バブル景気期に一般的に知られはじめた(Wikipedia)」

 

 以前はオタクと言えば少数派であり、その存在に光が当たることもなく、ひっそりと趣味の世界の者同士で楽しんでいるイメージが強かったのですが、近年はその認知度も上がり、堂々とオタクを名乗り、人目をはばからず活動もでき、世間からも好奇な視線ではなく、ある意味では専門家のような扱いとなっているともいえます。

 

 オタクの嗜好対象の一つであるアイドルの数も相当数増えており、その実数は不明(数千から数万人とも)ですが、テレビでよく見るメジャーなアイドルから、ご当地アイドル、地下アイドル、ネットアイドルなど、まさに日本総アイドル時代ともいうべき事態になっています。

 

 そのアイドルへの支出については、ライブイベントやグッズ、付属の特典が付いたCDなどが戦略的に販売されており、どんどん額が上がって今回の調査のような結果となっているのでしょう。

 

 このあたり、店舗ビジネスで生かすにはどうしたらよいでしょうか。店舗のスタッフをアイドル代わりに打ち出すのも一興ですが、それでは単純すぎ、スタッフも嫌がる人が多いでしょう。まずは人ではなくモノ、たとえば飲食店ではメニューの人気投票でランキングを付け、トップ3への投票者にはそれぞれ特典を付けたり、お客様に推しメニューを指名してもらい、その推薦文をメニューに載せ、注文数で様々な特典やグッズをプレゼントしたりなどなど…

 

 やり方はいくらでもあり、要はお客様にとって自分が関わった、あるいは育てたという事実を提供することで対象に愛着を沸かせ、もっと深いヒトやモノとの関係性を作り上げていくことが肝心なのです。こうすることで定期的な来店を促すことが可能になり、それがさらなる愛着へとつながる好循環となります。

 

 もっとも、ここに書いているように一朝一夕にはなかなかいきませんが、仕組み化することで必ずプラスになり、店舗の強みとなるのは間違いありません。今後、顧客化は店舗における最重要課題の一つとなります。その顧客化の一つの方法論として、オタク化を促すアイドルの仕組みは店舗ビジネスでも十分に活用できます。

 

 記事にあるようにオタク化すると使用する金額も増え、客単価が上がります。行き過ぎたオタク化は店舗にとってマイナスになる可能性がありますが、適度なオタクは強力な味方となるのです。店舗経営者の皆さんも、一度アイドルビジネスを研究してみてはいかがでしょうか。