ニュースの論点No.95 定休日を減らせば売上が増える?

  

 「スシロー、2日連続の定休日導入」2019220日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「回転ずし大手のスシローグローバルホールディングスは店舗に最低でも年に1回、2日連続の定休日を導入する。」「顧客からの不満が少なかったため継続を決めた。」とのことです。

 

 近年は人手不足から店休日の導入、営業時間の短縮など、オペレーションの改善による効率化以外にもさまざまな施策をおこない、店舗運営に支障が出ないように積極的な動きを見せる企業が増えています。

 

 企業側にとってみれば、やむを得ずの対策かもしれませんが、もともとハードワークである店舗ビジネスの従事者からすれば、非常にありがたい制度だといえるでしょう。そもそも24時間365日店舗を開けておく必要は全くありません。お客様は店が開いているからその時間に来るだけであり、開いてなければ来れません(当たり前ですが)。

 

 それまで年中無休の店舗がいきなり告知なしに不定休を始めれば、お客様に迷惑が掛かりますが、しっかりと告知したうえで、曜日などを定めた定休日を導入することは、何の問題もないのです。

 

 これは小さな店舗でもいえることであり、無理して無休や長時間営業をする必要はなく、自店の実力にあった体制でやることが肝心です。自店がブレないコンセプトで顧客をつかんでいれば、周りが開けているからとか、売上が下がるとかいった心配は全く無用なのです。

 

 私が関わっている店舗経営者がよく口にされるのは「今ある定休日を減らせばその分売上も増えるので、来月から開けるようにしようかな…」ということですが、はっきりいってムダな徒労に終わります。そう伝えます。休みを減らして売上が上がることはほとんどなく、変わらないかむしろ減ることもあるのです。

 

 特に定休日が定着している店舗にとっては絶対にやめたほうがいい施策でしょう。結局売上が間延びするだけなのです。繰り返しますが売上は増えません。間延びするだけです。

 

 店舗経営にはメリハリが必要であり、いつでも開いていることが強み、差別化の要因になることもあります(初期のコンビニくらいでしょうか)が、多くの業種業態ではいつでも開いていることは、価値を下げることにつながると思って間違いないでしょう。

 

 いつ開いているかわからない店というのは論外ですが、一般的な自店の顧客が利用する時間帯に開けているのであれば、後は無理せずサービスが提供できる範囲内で開けておけば十分です。

 

 それを無理して、思うように売上が取れないからと言って、またその間の家賃がもったいないからと言って店を開けてしまうと、間違いなくコストだけが上がり、労多くして功少なし、骨折り損のくたびれ儲け、貧乏暇なしの状態になります。

 

 逆もまた真なりで、定休日を作ったからと言って、売上が心配するほど落ちることは実のところほとんどありません。もちろん、日数にもよりますが、結果的に売上はもとの状態にもどります。あるいは上がる場合も少なくありません。

 

 これは店舗のスタッフが一緒に休め、コミュニケーションの時間が増えることがひとつのプラス要因です。さらに定休日があることで、お客様が来店した時に目当てのスタッフがいないという事態も避けやすくなり、結果として顧客満足度が向上することも売上に好影響を与える要因となっているのです。

 

 冒頭で紹介したスシローの件も、定休日(連休でも)が導入されるのは当然であり、お客様は定休日と知っていれば店舗に行かないだけです。当たり前ですが開いている日に行くのです。これがいつでも開いていると店舗の価値も下げることになり、そこに行くモチベーションも下がります。「いつでも開いているからね」と。

 

 店舗経営者の皆さん。

あなたの店に定休日はありますか?

定休日は売上を取るための時間的投資だと理解していますか?