ニュースの論点No.97 本当にNo.1ですか?

 

 「『No.1』広告表示、購入影響2055%」201936日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「業界トップ、顧客満足度第1位、日本一など広告やテレビCMでNo.1を表示するものは多い。マクロミルの調査では43%の人が購入意欲に影響すると答え、20代では55%に達した。一方で『信憑性に欠ける』という悪印象を持つ人も4割に及ぶ。」としています。

 

 何を今さら…といった感じの調査ともいえますが、数字での裏付けが取れるとやはり多少なりともNo.1表示が影響をもたらしているのがよくわかります。

 

 このNo.1表示施策を行うためには、そもそもの前提として、No.1が事実であることが必要です(当たり前ですが)。また事実であったとしても、あまりに細かく砕いたカテゴリーの中でのNo.1は情けなくて書かないほうがマシ、といったこともあるでしょう。しかし説得力は格段に増すので、どうにかしてNo.1表示を戦略的に用いたいというのも心情としてよくわかります。

 

 結果としていたるところにNo.1表示が見られるようになり、No.1インフレとも呼べる状況に陥ります。玉石混交、悪貨は良貨を駆逐するといった言葉にもあるとおり、こうしてNo.1表示に対しての信用がどんどん下がっていきます。

 

 記事にもあるように、経験の浅い20代ではNo.1表示が購入に際し良い影響を与えることが多く、この戦略がある程度機能するのですが、年齢が増すごとに字面だけでは判断しない知識や経験が培われ、「うさんくさい」や「売り込まれているように感じる」などの印象を持つ人が多くなっていきます。

 

 No.1が事実であり、相応のレベルに達していれば、惜しまず、恥ずかしがらずにアピールをすべきだと思います。ただし、それが嘘であれば論外として、先述のようにあまりに小さなカテゴリーでアピール材料として使うのは、顧客心理を悪化させる要因にもなるのでやめておいたほうがいいでしょう。

 

 また、誰が見ても納得できるNo.1であったにしても、使い過ぎはその価値を下げます。過ぎたるは猶及ばざるが如し。何でもかんでも、しつこくアピールするのはやめましょう。加えて、古すぎる情報も逆効果となりますので注意しましょう。

 

 少し話はズレますが、小売り、飲食店などで当店の人気No.1や人気ランキングといったPOPやメニューをよく見かけます。この販促策は特に問題ありませんし、積極的にやるべきだと思います。ただ、初めていった店でも「これは本当だろうか…」というような、要するに買わせるための情報操作、つまり嘘を疑われるものも散見されます。

 

 お客様は敏感です。必ず嘘はバレます。そうなると一気に信用を失い、その噂は電光石火の速さで広がっていくのです。売りたい気持ちはわかりますが、嘘はダメです。事実に基づいて販促を行っていきましょう。

 

 No.1施策は毒にも薬にもなります。使い方を誤らないように、気を付けて行ってください。