ニュースの論点No.98 これは税抜き価格?税込み価格?

 

 「消費増税810% 小売り・外食各社、価格表示変更で備え イオン、税込み、小数点第2位まで 高島屋、ランドセル「本体+税」に」2019313日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「10月の消費増税を前に小売り・外食各社が相次ぎ価格表示の見直しに動いている。」

 

 「イオンは税込み価格を小数点第2位まで表示するように変更。高島屋はランドセルなど一部商品に関して本体価格と税を分けて表示する。消費増税に伴い導入される軽減税率なども絡んで様々な「価格」が登場することになる。表示の仕方を工夫することで消費者の混乱を防ぐ」とのことです。

 

 店舗での価格表示は原則「総額表示(税込価格)」です。しかし、現在は8%から10%へと消費増税を控えており、事業者の事務負担に対する配慮などから、経過措置として平成33331日までは、「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じていれば税込価格を表示することを要しないこととされています(消費税転嫁対策特別措置法 第10条)。

 

 消費税が5%から8%への変更時から同様の措置がなされており、平成25101日より現在まで税抜価格表示をする店舗が大半を占めるようになっています。

 

 今回の増税では、軽減税率が適用され、違う税率の商品が混在することから、冒頭の記事のように様々な価格表示をすることで対応する事業者が多くなると予想されます(軽減税率の対象は食品表示法に規定されている飲食料品と週2回以上発行されている新聞です)。

 

 イオンが税込価格を小数点第2位まで表示するのは、税率の混在によるわかりにくさを回避するため、また、基本的に事業者は消費税の端数処理を切り捨てにしており、個別に購入する場合とまとめて購入する場合とでは、最終的な支払総額が変わることをより分かりやすくするためもあるでしょう。

 

 ここで補足として、消費税には端数が生じる場合がありますが、この処理は切り捨て、切り上げ、四捨五入のどれを選ぶかは事業者にゆだねられています。基本的には切り捨てにする事業者がほとんどだと考えられます。

 

 経過措置として、様々な価格表示があることは仕方がないと思う反面、消費者のことを考えれば、本来は法律通り総額表示が好ましいと思います。経過措置を利用し「少しでも安く見せたい」事業者の気持ちはわかりますが、これは実は全く逆で、値札についた価格とレジでの支払い価格に乖離があると、消費者としてはかなり損をした気分になります。それが10%ともなるとさらに重税感を感じ、場合によっては騙されたような気持になるのです。

 

 いずれすべて税込表示にする必要があります。ですが店舗経営者としては、少しでも早く店頭での価格表示とレジでの支払い価格のギャップは解消するべきだと私は思います。お客様の信用、信頼を勝ち取るには、そういう細かな積み重ねが肝心なのです。