ニュースの論点No.139 イートインスペース使ってる?

 「イートイン客、小売り21%減 10月、軽減税率が影響」20191225日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「消費税増税後の10月は小売業・外食業のイートイン(店内飲食)の客数が前年同月比9%減だった。コンビニエンスストアなどの小売業に限るとマイナス21.9%と大幅に減少した。」としています。

 

 数字から判断すれば、イートイン客が減少したのはタイトルのように軽減税率が影響したことはほぼ間違いないでしょう。ただし、全客数に対するイートイン客の割合が不明で、おそらく1割にも満たない(実感値ですが…)と思われ、客数が21%減少したところで、店舗売上への影響は軽微だと考えられます。

 

 実際、主要コンビニエンスストアの10月売上を確認すると、既存店ベースで1.8%増となっています。客数は2.2%減ですが、客単価が4.1%増で全体をけん引しています(たばこなど非食品5.8%増、日配食品0.7%増、冷凍食品1.0%増)。前年はたばこ増税による買い控えがあったことや、キャッシュレス還元政策の効果が出たことが主な要因として考えられます。

 

 イートイン客は大きく減少した半面、他でカバーしていますので特段問題はないといえます。しかし、せっかくイートインスペースを設置し、最近になってようやく定着してきたところに消費税の冷や水がかけられたのですから、小売り各社はもっとスペースの活用をしていきたいところだと思います。

 

 コンビニを回ってみると、現在はほとんどの店舗でイートインスペースが設けられています。利用者はたまにちらほらと見受けられますが、全席埋まっていることはなく、おそらく誰も使っていない時間のほうが多いでしょう。

 

 昼時には駐車場が満車になるくらいの賑わいを見せるコンビニも多く、レジにも複数の列ができていることがままあります。しかし、ほぼ全員がイートインスペースは使わず、「車の中」で飲食をしています。まあ、これは以前から変わらない風景なのでしょう。とはいえさすがに誰か一人くらいはイートインスペースを使ってもよさそうですが、本記事にもある通り、店内飲食は2%余計に支払う必要があるということのハードルはなかなか高そうです。

 

 消費増税後、店内飲食をするにもかかわらず、レジで申告せずに8%のままで会計をすませ、イートインスペースを使用する「イートイン脱税」なる言葉も出てきました。さらにそれを注意、あるいは店舗に申し出る「正義マン」や「イートインポリス」という言葉も作られました。

 

 また、客側から申告があっても店員がそのまま8%でレジ処理するパターンも多いそうで、皆がこの制度に慣れるまでにある程度時間がかかりそうです。

 

 ともあれ、私に言わせれば軽減税率自体が天下の愚策です。小売り各社は巻き込まれた被害者とも言えますが、恨み言を言っても始まりません。まずは稼働していないイートインスペースの活用方法を、あるいは撤去を、早急に考えていかなければなりません。