
「『東京都は緊急事態ではない』グローバルダイニング、東京都の命令に従わないと発表」2021年5月18日、ITmediaビジネスオンラインはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「和食店やイタリアンレストランなどを展開するグローバルダイニングは5月18日、東京都が酒類の提供を続ける飲食店33店舗に出した休業命令で、このうち23店舗が同社が運営する施設だと発表した。」としています。
グローバルダイニングは東京都の命令に対し、現状は緊急事態下ではないとし、私権制限は許されないとして通常営業を続ける方針を表明しています。
グローバルダイニングには21年3月18日にも東京都から営業時間短縮命令が下っています。当時、都内では2000店舗以上が要請に応じず、午後8時以降も営業を続けていたようです。しかし、実際に過料を科す措置命令書が出されたのは27店舗に過ぎず、うち26店舗はグローバルダイニングが運営する店舗でした。
これを受け、グローバルダイニングは当該命令およびその根拠となる特措法が違憲・違法であることを理由に、東京都を被告として国家賠償を求める訴訟を提起しました。その流れの中で、今回の休業命令が下されています。
まさに出る杭は打たれ、狙い撃ちされるわかりやすい例となっています。東京都としては、格好のスケープゴートとしてグローバルダイニングを槍玉に挙げ、飲食業者に対する、いわゆる「見せしめ」としての役割を担わせているのでしょう。「感染拡大を防止する」という大義名分のもとでは、かなり不利な立場であり、訴訟の行方も気になるところです。
そもそも時短や休業が感染拡大をコントロールできるのか否か、エビデンスとしてはっきりしておらず、グローバルダイニングが命令に対して反発するのも理解できる部分はあります。さらに、ある程度規模の大きい会社にとって、時短や休業に協力したとしても、補償額も少なく焼け石に水でほとんど補償の意味はありません。休業に協力したことで会社が潰れても誰も助けてくれないのです。
経営者としては相当な覚悟を持っての決断となります。飲食店のみならず、他業種でも同様で、行政側からの時短・休業の命令や要請、酒類の提供や移動の自粛にどこまで従うのか。従った結果、従業員の解雇や店舗の廃業等を選ばざるを得ない時、どう対応しその後どうするのか。命令に従わない場合はその後の対応(行政からの圧力、風評被害など)をどうするのか。あらゆる角度から考え、まさに答えのない「決断」をする必要があるのです。
グローバルダイニングの対応が唯一の正解ではありません。ただし、間違いでもないと思います。私に言わせれば、経営者にとって大事なのは、自分自身が下した決断を正解にする胆力と実行力です。結局最後は気合と根性です。これを読んでいる経営者の皆さんも、決して「日和見主義」にならず、信念を貫き、後悔をしない決断をしていただきたいと思います。

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