ニュースの論点No.223 Amazon帝国

 「労働者のうち169人に1人がAmazon従業員に」NBCNEWS2021731日、こう題した記事を掲載しました。Amazonは20217月の第2四半期決算報告でアメリカにおける従業員の数が95万人を突破したと発表。アメリカの労働者数16100万人に対し、単純計算で169人に1人はAmazonで働いている計算になります。

 

 ちなみに、アメリカで最も従業員数が多いのはスーパーマーケット大手のウォルマートで、その数何と160万人です(労働者の100人に1人)。Amazonはウォルマートに次ぐ従業員数となっています。

 

 Amazonは全世界で見れば現在130万人の従業員を抱えています。毎年数万人単位で増え続けていることを考えれば、すぐにアメリカ、また世界で最も従業員数が多い企業になるのは間違いないでしょう。

 

 日本企業に目を移せば、従業員数はトヨタ自動車が36万人、日立製作所が30万人、日本電信電話が27万人(いずれも世界連結)でトップ3となっています。日米問わず世界的な企業となると、大都市あるいは小国の人口と変わらない数の従業員数を擁するようになるのです。

 

 さて、Amazonはアメリカを代表するテック企業の一つですが、アップル(13万人)やグーグル(9.8万人)、フェイスブック(3.5万人)など他のテック企業と比べても従業員数は多くなる傾向です。サービスだけでなく通販で実際にモノを売っている小売企業であり、どんなに自動化が進んでも、ある程度の人員が必要となるからです。

 

 そしてAmazonは従業員数もさることながら、会員数の多さにも目を見張ります。Amazonプライムの会員数だけでも2億人を超え、膨大な顧客情報を持つ巨大なプラットフォームとして存在感をさらに強めています。

 

 Amazonのサービスは私も使っていますが、年々利便性は向上し、サービスとしての質も上がっています。ポチっとするだけで、早ければ今日中に商品が届くサービスが当たり前になったのは驚くべきことです。ただし、それを実現するためにテクノロジーはもとより、先述のように膨大な人手がかかっていることを忘れてはならないでしょう。

 

 Amazonが新たな経済圏を構築したことで、利用者をはじめ、従業員など雇用も増やし、様々な人が恩恵を受けていることは一面の事実です。一方で、Amazonの一社による市場の独占には注意しておかなければなりません。どんなに優良企業でも、独占状態が継続すると必ず綻びが現れます。いわゆる「市場の失敗」です。

 

 ECに限らず、市場での健全な競争によって、サービスが磨かれ、顧客は複数候補から選べる状態が望ましいと言えます。「一人勝ち」が逆回転しだすと、顧客サービスや従業員の待遇低下など誰にとっても負の影響が降りかかります。

 

 私たちにできることは、常に対等な立場でサービスを評価し、1社に依存しない、リスクを分散した賢い使い方をしていくことでしょう。

 

 創業者のジェフベゾス自身「いつかアマゾンは潰れる。大企業の寿命は30年程度。100年ではない」と発言しています。どんなに盤石に見えたとしても、「その時」は必ず来るのです。私たちも自分の頭で考え、賢い消費者として振舞っていきたいものです。

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