
「ネット広告費『4媒体』超す」2022年3月9日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「電通は2021年の日本の広告費に関する調査を発表した。インターネット広告費は前年比21%増の2兆7052億円と初めて新聞、雑誌、ラジオ、テレビの『マスコミ4媒体』の広告費を上回った」としています。
日本の広告費は、「マスコミ4媒体」、「ネット」、「プロモーションメディア(屋外広告や折り込みチラシ等)」の3つに分けられます。2021年はマスコミ4媒体が2兆4538億円、プロモーションメディアは1兆6408億円で、昨年初めてネット広告費がマスコミ4媒体を上回りました。
マスコミ4媒体の広告費は、統計で遡れる2005年から減少傾向が続いています。その中でも、テレビ広告費は4媒体中で7割以上を占め、広告市場では揺るぎないポジションでしたが、2019年、ネット広告に初めて抜かれました。それからわずか2年で、4媒体を合わせてもネット広告に太刀打ちできない状況となったのです。
コロナ禍の影響により、ネット広告の伸びが加速したことは間違いないでしょう。今後はその差がさらに広がっていき、ネット広告の重要性は増していくと思われます。
経済学的に見れば、需要増のネット広告単価はますます上がり、マスコミ4媒体の広告単価は徐々に下がっていきます。余談ですが、最近では、全く聞いたことのないニッチな業種の小規模な企業がテレビCMを流しているなあ… なんか意味あるのかな… と感じることが増えました。昔は高根の花だったテレビCMのハードルは相当下がっているのでしょう。
ちなみにゴールデンタイム(19~22時)にテレビをつけている世帯の推移は、1997年下期に71.2%だったものが、2020年下期には59.4%と12%下がっています。要はテレビを見ている世帯が減っており、テレビCMの影響力も当然ながら減ってきているということです。
テレビを見ずに何をしているのかといえば、皆さん同じです。スマホを見ているのです。そしてスマホは広告天国です。皆さんも感じられているかもしれません。動画や画像、テキストなど、どれが広告かもわからないくらい、画面から溢れています。
スマホの広告は視聴者もアクションが取りやすく、さらに数値化しやすいため、どんな媒体よりも効果検証が容易です。ただ、最近は広告が多すぎるため、さすがに費用対効果が厳しくなりつつあると思われます。
さて、テレビやネット広告の話が続きましたが、広告はそれだけではありません。むしろ中小企業や個人事業主にとっては、プロモーションメディア(チラシやDM、屋外広告等)の方になじみがあり、かつ費用対効果も高い場合が多いと私は思います。
投資の意思決定は経営者の最も重要な仕事の一つです。自社に合った広告媒体は何なのか。最も熟知しているのは経営者であるはずです。ネット広告も選択肢の一つですが、流行り廃りに流され過ぎず、根拠ある経営判断を心がけましょう。

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