ニュースの論点No.255 この後どうする?

 「コロナ追加融資、規律問う 無利子・無担保6月まで延長『ゾンビ企業』延命懸念」2022315日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「政府はコロナ融資を6月末まで延長するが、規律なき追加融資は企業のゾンビ化にもつながりかねない。中小企業の財務が悪化するなか、金融機関も難しい判断を迫られている。」としています。

 

 実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)について、「日本政策金融公庫は2112月下旬時点で16兆円超、商工組合中央金庫は今年3月時点で約28000億円を融資している。民間金融機関によるゼロゼロ融資は213月末に終了したが、融資額は合計で23兆円にのぼった」とのこと。

 

 さて、よく言われる「ゾンビ企業」ですが、皆さんどんな理解をされているでしょうか。「ゾンビ企業」は1990年代後半から広がってきた言葉で、一般的には「実質的に破綻し、再建の見込みがないにもかかわらず、金融機関や政府の支援により事業を継続する企業」となります。ちなみに日本経済新聞は「借金の利払いを利益で賄えていない企業」と定義しています。

 

 まあ、色々な解釈があるのですが、あっさり言えば「自立経営ができない会社」となるでしょうか。ゾンビ企業というネーミングはあまり気持ちのいいものではありませんが、ある意味、会社の状態をわかりやすく表している言葉かもしれません。

 

 私もコロナ禍において、規模の大小問わず、さまざまな会社の支援を行いました。コロナ禍で窮境に陥った会社の多くは、これまで数十年頑張ってきたものの、時代の変化によるビジネスモデルの劣化ですでに「ヤバい状態」でした。

 

 それがコロナ禍の影響を受け、思ったよりも早く危機が訪れてしまった‥というのが経営者の本音かもしれません。ところが、政府による給付金や雇調金、そしてコロナ融資などさまざまな支援により、「楽にお金が入ってくる状態」が続きました。

 

 売上規模によっては、「焼け石に水」の会社もあったと思われますが、多くの小規模な会社ではいわゆる「焼け太り」になったとの事例も聞き及んでいます。ただ、これは政府が用意した支援を正当に利用した結果ですから、文句を言っても仕方がありません。

 

 問題はこの後です。「楽にお金が入ってくる状態」に慣れると、どんなにバリバリ頑張っていた経営者も意欲を削がれます。言い方はアレですが、「お金をあげるから何もするな」と国がお墨付きを与えているのですから、堂々と不労所得を得ることができ、怠け癖がついてしまうのです。

 

 経営者の皆さん。コロナ禍はここにきて「人災」の側面が強くなってきました。解釈は分かれるかもしれませんが、さすがに今の状態は、止める必要のない経済を止め、ムダに多くの支援を行い、市場の新陳代謝を遅らせ、将来への負担を増やしているようにしか思えません。経営者の皆さんが日本のあらゆる市場を担っています。自社の状態を今一度精査し、自らの進退について、覚悟を持って自ら決断するべき時です。

 

 

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