
「『売れるわけがない』→蓋を開ければ約200万食の大ヒット ローソンストア100『だけ弁当』が低価格守る理由」2022年6月25日、JCASTニュースはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「ウインナーやミートボールなど、おかずを1品だけ乗せた弁当」「税抜き200円という低価格も特徴で、飲み物やサラダなどとの合わせ買いに適している。」としています。
この「だけ弁当」が発売されたのは2021年6月。ウインナー弁当(ウインナー5本とごはん)が第1弾でした。現在ではミートボールや白身フライ、のり磯辺揚などバリエーションが増えています。写真で見ると、超シンプルで本当に「だけ」の弁当です。
それでも200円という価格は相当安いと感じます。記事にもあるように、セット買い前提の価格設定でもあるのでしょう。単品でも行けそうですが、さすがに「だけ弁当」だけでは、量的に、あるいは栄養バランス的に満足するのは難しいかもしれません。
200万食売れているそうですから、潜在的なニーズが結構あったと思われます。しかしながらよく商品化したと思います。このような、ある意味尖った商品はアイデアとして発想できるようでできない、あるいは発想したとしても、商品化にはつながらないパターンがほとんどではないでしょうか。
ただ、ビジネスとしては感心する反面、この商品が人気になる日本はますますデフレへの道を進んでいるようにも見えます。ビジネスに正解はありませんが、このままいくと日本の競争力はどんどん失われていくような気もします。
最近は小売・外食業界など、原材料の高騰による値上げラッシュが続いている中、それでも価格転嫁せず、低価格戦略を取る企業も少なくありません。企業努力と言えばそうなのかもしれませんが、何か活力が失われていくような感覚になってしまいます。
ところで、原材料高騰により値上げが続き、世間の物価が上がっていく現象をコストプッシュインフレと呼びます。原価が上がれば、企業は利益を得るために価格に反映せざるを得ないという状況です。
ただ、価格を上げ過ぎると売れ行きも鈍るため、値上げはある程度までくると限界が来ます。結局企業は儲からず、消費者は価値以上の出費を迫られる。この点、コストプッシュインフレは「悪いインフレ」と呼ばれます。
その逆がディマンドプルインフレです。需要が伸び、供給量が追い付かなくなることで価格が上がっていく現象です。消費者は高いお金を払ってでも欲しがる状態で、企業は基本的に利益率が良くなります。先述の悪いインフレに対してこちらは「良いインフレ」と呼ばれます。
ここ30年程、日本はデフレ一直線で進んでいたわけですが、ここにきて「悪いインフレ」が如実に表れてきました。景気が後退しつつある中で物価が上がる、まさにスタグフレーションの状態です。
今後はますますこの動きが加速していく可能性があります。しかも、明確な解決策はありません。こんな時代に重要なのは、個人個人の「あり方」を明確にすることだと私は思います。
つまり、何のために、何を大事にしながら、何を目指すのか。自身の価値基準を明確にすることです。ここが固まっていないと周りに流され右往左往してしまうでしょう。ぜひ、私たち経営者は率先して「あり方」を明確にし、この閉塞感を打ち破っていきたいものです。

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