ニュースの論点No.280 かき氷かアイスか

 「かき氷の人気は気温34度でアイスクリームを超える」202291日、ウェザーニューズはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「気温が20度の涼しい時はほとんどの人がアイスクリームを食べたいと感じていますが、熱くなるにつれてかき氷の割合が増加し、気温30度で3割を超えて、34度ではかき氷が5割に達してニーズが逆転する」としています。

 

 他にも、「今年のかき氷商戦開始は6月下旬、最低気温26度のタイミング」や「人の嗜好は気温で変化する」など、アンケートにより面白い結果が導き出されています。

 

 皆さんご存じの通り、気温によって人が欲する飲食物は変化します。例えば、コーヒーのホット/アイス分岐点は気温22度が目安とされています。また、ウェザーマーチャンダイジング(天候や気温の予測に合わせた商品計画)の考え方によれば、「昇温商品」、「降温商品」という分け方で気温と売れ筋商品が関係づけられています。

 

 「昇温商品」は気温が上がると売れやすくなる商品で、具体的にはカレーや牛丼、酢の物、ビールなどが挙げられます。「降温商品」は逆に気温が下がると売れやすくなる商品で、鍋焼きうどん、ポテトサラダ、おでん、日本酒などがお馴染みです。

 

 言われてみれば当たり前…と思うかもしれませんが、実際に店舗で忙しくしていると意外に抜け落ちている視点ではないでしょうか。自分の体感で考えることも大事ですが、天候や気温など、多くの人が影響を受ける客観的なデータを活用することは、再現性の高い店舗経営をするうえで非常に重要なポイントです。

 

 何月になったから、あるいは季節が変わったからメニューを変えるというのも悪くはありません。ただ、毎年同じようで、実際は年によって差があります。季節で見れば、冷夏や暖冬など長いスパンの差異があり、さらに前日との差や1週間前との差などミクロな差異もあり、「何月だからこれ」あるいは「夏だからこれ」という考え方は多分にリスクがあります。

 

 加えて、自分の感覚だけではズレが生じ、そもそも月毎の季節感も変わりつつあります。やはり数字で確認可能なデータがあれば、ズレを補完し、再現性を高めるためのツールになりえます。

 

 その日の天気や気温はもちろん、最近では1週間後の予報も常に出され、以前よりは正確性も増しています。店舗経営者としては、それらのデータを利用しない手はありません。また、過去の天気や気温と自店の売れ筋の関係性も、データとして蓄積すべき重要な事柄です。

 

 とはいえ、意外なほどに実践している店舗は多くありません。日々の小さな積み重ねが1年間の成果となり、その成果が店舗の資産として蓄積され、安定した経営が実現します。天気や気温は「日常の一部」だからこそ、人間の判断に影響を与える最も大きな変数の一つです。毎日必ず記録し、自店の売れ筋商品と関連付けてデータ化しておきましょう。

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