
「『口コミ人気ナンバーワン』『7冠達成』広告…調査会社によって簡単に『作られていた』」2023年6月18日、読売新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「『人気№1』といった文言で販売実績や顧客満足度を強調する『ナンバーワン広告』。この手の宣伝文句は世の中にあふれているが、根拠がないものも多いとされる」としています。
「広告主に持ちかけて『偽りの高評価』を作り出す調査会社もある」とのことで、非常に根深い問題となっています。広告の内実を見れば、女性向けサービスで男性の回答者が大半、1位を取るために競合他社を意図的に排除、購入暦がない人の回答、回答者への金銭授受…などあらゆる手を使ってナンバーワンを作り出し、さらには1位になった途端にアンケート終了。
公正とは言えない手法によって作られた「ナンバーワン」は、場合によっては「優良誤認」にあたり、景品表示法違反となる可能性があります。ちなみに今回の件でも複数の事業者に措置命令が出されています。
「ナンバーワン」の称号は権威性が高くなるため、見込み客に対して説得力を持ち、購買につながりやすくなります。昔からマーケティングでも活用されており、今でも何とかして「ナンバーワン」になれる領域を探し出す事業者およびマーケティング会社は多く存在します。
ただ、探すならまだしも、今回は「ナンバーワンを無理やり作っている」のであり、厳しい言い方になりますが顧客を“欺く”やり方です。例えるなら、売るために着飾るだけ着飾り、さらには「見てくれ」に加工を施して顧客に過剰な(誤った)期待を持たせているのです。
期待値を上げ過ぎた場合、1回購入したらそれで終了です。むしろ、悪い口コミが広がり、その商品は短命で終わります。短期間での売上獲得を狙っているのかもしれませんが、まともな商売をやるつもりなら、絶対に手を出さない方がいいでしょう。
もちろん、実際にナンバーワンであることが明確な場合は積極的に発信した方がいいとは思います。しかしその一方で、本物のナンバーワンは自明であり誰もが知っている事実です。あまりに手前味噌がすぎると逆に安っぽくなり、事実だとしても信用度は低下してしまうでしょう。
この点、まずすべきは「自社が提供する価値」を言語化したうえで、それを情報発信することです。「口コミ人気」や「7冠達成」は直接顧客が得る価値にならず、満足度につながるわけではありません。単なる肩書です。
「自社が提供する価値」はお客様が一番よく知っています。つまり「お客様の声」が客観的かつ事実を表す言葉なのです。経営者の皆さん、ぜひ「本当のお客様の声」を集め、あらゆるメディアで積極的な発信をしましょう。お客様は自社の一番の味方になってくれます。

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