
私はアパレル小売店経営をしつつ販売現場にも長く携わっていたため、「人を褒める」ことが体に染みついています。常にどこか褒めるところはないか、と探してしまうほど日常的な行動になっています(無意識的に)。これは変に持ち上げたり、太鼓持ち的なお世辞やゴマすりではなく、軽く、さりげなく褒める感じです。
例えば、「やっぱり違いますね」「なぜそんなことができるんですか」「おー、勉強になります」「へー、よくご存じですね」のような言葉を使うことが多いでしょうか。あからさまに「褒める」のではなく、相手の強みだな…と感じた部分に対して、スルーせずに質問したり感想を伝えたりする感じです。
仕事の軸足をコンサルタントに移してからもこの習性は変わらず、クライアントをはじめ関係者に対しても同様に、無意識のうちに軽く、さりげなく褒めていると思います。まあ、仕事の癖で洋服に目が行くことも多々ありますが。
で、褒めると大半の人が「そんなことないよ」と謙遜されます。ただ、その後は嬉しそうに色々な話をされ、お互いに気持ちよくコミュニケーションができるパターンがほとんどです。
さて、この「褒める」という行為、苦手な人が多いような気がしています。褒めるどころか話も聞かず、相手の承認もしない。もちろん相手を嫌っているわけではないものの、ただ思うままに自分の話だけをしてしまう人も少なくない。
「俺の話を聞け」とばかりにずっと話し続け、相手の話にはマウンティングする。自分の価値観を押し付けるような一方通行のコミュニケーション。皆さんの周りにはいないでしょうか。そんな人は通常のコミュニケーションはもとより、「褒める」のはなかなか骨の折れる仕事です。
「そんな人」は褒めると際限なく話し続けるのですが、それでも根気強くコミュニケーションをとると徐々に変化が表れてきます。それまではまったく質問もしてこなかったのが、ちょこちょこと「○○さんはどうなんですか?」という質問が出てくるのです。
個人的には、承認欲求のかたまりの人も、口数が少なく控えめな人も、褒められて嫌な人はいないと思っています。だからこそ、皆さんにはコミュニケーションにおいて意識的に褒めて欲しいと思っています。とはいえ、大半の人は褒めることに慣れておらず、リアクションすら取れない人もいます。
これは非常にもったいないと思います。「褒める」という行為はコミュニケーションの潤滑油です。傾聴という言葉は世間にも広く出回っていますが、ただ聞くだけではなかなかテンションやモチベーションアップにつながりません。
もちろん信頼関係を築いたうえで褒めることが重要です。そのうえで、ぜひ今日会う相手の何か一つでも褒めてみてください。コミュニケーションの質がまったく変わります。相手にとって普通の1日が素晴らしい1日に変わり、自分にとっても幸せな1日になるのを実感できるでしょう。

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