ニュースの論点No.656 リアル店舗に求められること

 「大博打に成功した『焼肉きんぐ』の勢いが止まらない…人気の秘密、社長の意外な戦略とは?」2023627日、デイリー新潮はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、20226月期決算が「売上高は7327700万円で前年比14.4%増、営業利益は287300万円で前年比12.4%増という増収増益だった」としています。

 

 好調要因として「家族を主要ターゲットとし、1家族1万円(原価率4割程度)ほどで、家族全員が好きなメニューを楽しめる高いコスパ」「知名度アップ(ブランド想起)のために多量のテレビCM投下」「配膳ロボット導入によるテーブルバイキングの効率化対応とエンタメ化」等が挙げられています。

 

 その他、細かく見れば数多くの要因があると思われますが、上記が焼肉キングの好調を支えている主な施策となっているのは間違いないでしょう。現在でも、週末の夜は予約が1カ月先まで埋まっている“かなりの人気ぶり”とのことです。

 

 ただ、好調要因を見てわかるように、何か目新しいことをやっているかというとそうでもありません。やるべき当たり前のことをきっちりとやっている印象です。商品の付加価値向上、広告、効率化などなど…。

 

 ターゲットに伝わる適切な広告によって来店を促し、適度に効率化された店舗で付加価値の高い商品・サービスが提供され、それらが相まって「至高の顧客体験」となる。まさに店舗ビジネスの「理想の姿」を目指した施策が取られていると言えるでしょう。

 

 現在、技術の進展によって「無人化」や「自動化」がかなりの範囲で実現しています。今後、特にリアル店舗に必要とされているのは「至高の顧客体験」です。つまり、リアルだからこその「五感への訴求」「思いがけない出会い」「人と人の対面コミュニケーション」がより重要になってきます。

 

 焼肉きんぐに関しては飲食店というのもあり、そもそも「五感への訴求」には強みを持ち、さらにメニューのバリエーションも豊富で「思いがけない出会い」が演出され、「人と人の対面コミュニケーション」も、お客同士のコミュニケーションの場として機能しています。

 

 その時、その場でしかできない感動体験、つまり「至高の顧客体験」の提供こそが、これからのリアル店舗に求められる役割だと私は思います。

 

 今までは「右から左」、「あるところ」から「ないところ」へ流す単純な商売でも成り立っていました。しかしながら、今後はそれだけだと必ず淘汰されていきます。経営者の皆さんも、自社が顧客に提供する「至高の顧客体験」は何か、もう一度見直してみてください。

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