コラムNo.855 すべては経営者次第

最近、医療や福祉系の事業所に対するご支援が増えています。いずれの事業所も人手不足で現場は逼迫し、スタッフの皆さんは相当疲弊されている様子です。

 

どこも休憩を取る暇もないくらい、多忙に多忙が重なっているにもかかわらず、事業としては「赤字」になっている場合がほとんどです。

 

まさに猫の手も借りたい状況なのですが、求人をかけても誰一人として応募がない。なぜなら、超がつく売り手市場。

 

職種によっては有効求人倍率が何と20倍以上になっています。1人を20社が取り合う状況です。自社が求職者から選ばれるためには、小手先の採用ノウハウだけでは通用せず、大小表裏さまざまな努力が必要になっています。

 

そんな中で、現場スタッフは経営幹部から「もっと売上を取れ」「残業はするな」などと言われています。一方で医療や福祉に携わる人は、「困った人を助けたい」という想いが強い。事業所の理念も一応はそんな言葉が掲げてある。

 

ですが、事業が厳しい状況だと先述のように「数字」の話ばかりになり、理念より足元の売上が大事になる。スタッフはただでさえ疲弊している中で精神的に追い打ちがかけられます。

 

こうして日々の不信感が積み重なり、精神的にも肉体的にも消耗して退職を選びます。現場のスタッフは体調を崩しながら相当頑張っていますが、経営層は暗に「あなたたちが頑張っていないからだ」と責める。

 

業績悪化はすべて経営者や経営幹部の責任です。もちろん、行政の仕組みにも問題はありますが、どこも与えられた条件は同じ。成長軌道に乗っている事業所もあります。

 

圧倒的に不足しているのは、経営層と現場のコミュニケーションです。そもそも話す機会も設けられていない。単にきれいな言葉だけの理念が掲げられ、経営者自らは体現していません。むしろ現場スタッフの方が理念に即した行動をしています。

 

要するに戦略の失敗は戦術でカバーできない。経営層の力不足は、現場がいくら頑張ったところで補うことは絶対にできない。

 

理念を始め、戦略の浸透にも当然「コミュニケーション」が重要な役割を担います。ろくにコミュニケーションもとらず、ただ「売り上げを取れ」「ムダな経費は使うな」のようなメッセージだけが伝えられれば、何とか保っていたモチベーションは一気に崩壊します。

 

経営者の皆さん。まずはスタッフに労いの言葉をかけてあげてください。本当にギリギリで頑張っている方が大半です。ちょっとした声掛けや挨拶がスタッフを救います。

 

スタッフに努力を押し付けることなく、自らが率先して行動しましょう。経営改善はあなたの小さな行動からです。

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