
「スシロー『生ビール半額』企画、SNSに『注文できなかった』報告複数 品切れに落胆、会社は実態調査へ」2022年7月19日、JCASTニュースはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「回転ずしチェーン『スシロー』が実施している生ビール半額キャンペーンをめぐり、品切れで注文できなかったとの報告がSNSで複数寄せられている」としています。
ある男性客によれば、開店間もない11時ごろにもかかわらずビールが「品切れ」になっていたそうで、さすがにこうなると詐欺まがいの広告と言われても仕方がないかもしれません。
スシローの生ビール半額キャンペーンについては、開催前から物議をかもしていました。ある店舗で、キャンペーン開催前にもかかわらず、サービス開始の日付がない店頭POPで告知し、知らずに注文したお客からのクレームを受け、謝罪や返金をする事態を招いていたのです。
また、本年6月には期間限定商品をCMや自社HPなどで宣伝していたものの、材料不足により販売していない店舗もあり、消費者庁に景品表示法違反(おとり広告)で再発防止を求める措置命令が下されています。
自らが招いた種とも言えますが、それにしても続き過ぎのような気がします。すべての店舗が同様ではないにしても、スシローのイメージは相当傷ついたでしょうし、そもそもの企業体質に問題があると思われても仕方がないでしょう。
さて、ここで「おとり広告」について見ていきたいと思います。消費者庁によれば、商品・サービスが実際には購入できないにもかかわらず、購入できるかのような表示を不当表示(おとり広告)として規定しています。(以下、規定を要約しています。詳しくは消費者庁HPを確認してください。)
・商品・サービスの取引をおこなうための準備がなされていない
・商品・サービスの供給量が著しく限定されているにもかかわらず、明瞭に記載されていない
・商品・サービスの供給期間、一人当たり供給量が限定されているにもかかわらず、明瞭に記載されていない
・合理的理由なく取引成立を妨げる、また実際には取引する意思がない
以上いずれかに該当する商品・サービスの表示は「おとり広告」として不当表示にあたる可能性があります。まっとうな商売をしていれば大丈夫かと思いますが、特に店舗ビジネス経営者の皆さんは細心の注意を払うようにしましょう。
おとり広告などの不当表示をした場合、消費者庁や都道府県よりその行為を撤回、再発の防止を命じる措置命令(場合によっては課徴金納付命令)が出されます。ちなみに措置命令件数(全国)は2019年40件、2020年33件、2021年41件となっています。
なお、措置命令に従わない場合には、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。法人等の事業者には3億円以下の罰金刑が科されるほか、代表者について300万以下の罰金が科されることもあります。
大半の店舗ビジネスでは、日常的に様々な手段で広告宣伝を行います。その際、気を付けるべき点はおとり広告以外にも、優良誤認(実際のものよりも著しく優良であるように見せかけるもの)、有利誤認(実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの)などがあります。
多少の演出はいいとしても、消費者をだますような虚偽情報の発信は法的なリスクを伴います。過ぎたるは猶及ばざるが如し。何事もやりすぎは禁物です。誠実なビジネスを心がけましょう。

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