コラムNo.291 新規事業の成否を握るもの

 皆さんは何か新しいサービスが出たら、すぐに使ってみますか? 私は割と使ってみる方で、最近だとシェアサイクルサービス「チャリチャリ」を利用しました。シェアサイクルサービスとは、地域内に設置された複数のサイクルポートを拠点に、利用者間で自転車をシェアし、必要なタイミングで利用するための仕組みのことです。

 

 シェアサイクルサービス自体は新しくないのですが、今年4月、私が住む地域で自治体と企業の実証実験が開始され、偶然にも使う機会に恵まれました。

 

 ちなみにチャリチャリは、もともとメルカリの子会社が2018年に「メルチャリ」としてサービスを開始しましたが、2019年にメルカリが同事業を撤退、現在の運営企業neuetに事業が継承され、チャリチャリに改称された経緯があります。

 

 シェアサイクルの歴史は意外に古く、1965年にオランダのアムステルダムでサービスが始められました。しかし、盗難や破壊が相次ぎ頓挫。その後90年代になって世界各国で試行錯誤が繰り返され、2000年代初頭から徐々に普及をし始めます。

 

 そして2016年、中国でスマホ認証によるどこでも乗り捨て可能なポートレス型シェアサイクルが急増し、世界各地にも同様のサービスが拡大。しかし、これまた放置、破壊などが相次ぎ社会問題化します(そんな予感しかしません)。

 

 当然各国では厳しい規制が導入され、市場を一気に淘汰の波が襲います。今では基本的に規制に対応した事業者がサービスを提供しており、世界のシェアサイクル市場は秩序を取り戻しながら拡大しています。

 

 日本でも、近年では中国資本のシェアサイクルサービス(モバイク、ofo)が展開していましたが、ことごとく撤退。現在はハローサイクリング、ドコモ・バイクシェアなど国内企業が市場大手となりサービスを提供しています。

 

 さて、シェアサイクルサービスを使ってみた感想ですが、一言で言えば「快適でストレスフリー」でした。スマホでQRコードを読み込んだら即開錠、すぐに乗車できます。ポートについたらカギをかけるだけで自動的にサービスが終了します。しかも16円。

 

 シェアサイクルサービスを成功させるカギは、「ポートと自転車の密度」だと言います。要は、「使いたいときにいつでもどこでも使えること」。私も自宅近くにポートはありますが、肝心の自転車がないことが多い。こうなると最初から移動手段として候補には入りません。

 

 最初の数年、投資回収はおろか利益も出しづらいかもしれませんが、シェアサイクルを浸透させるには、地域のインフラとして地道に広げていくことが求められます。一旦インフラとなれば、その後は地域にあるべき移動手段として根付き、収益性も向上、安定した事業になるでしょう。

 

 経営者の皆さん。事業の種類によって商売が軌道に乗る時間間隔は異なります。それを理解したうえで起業、あるいは新規事業展開をするようにしましょう。新規事業が撤退する理由で多いのは「軌道に乗るまでの資金不足」です。ビジネスモデルも含め、資金調達方法を複数は持っておきましょう。

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