コラムNo.657 今こそ激動期?

 仕事柄様々な経営者にお会いします。経営者を2つのタイプに分けるとすれば、「猪突猛進型(直感で即行動、リスク選好)」と「沈思黙考型(確実で慎重な行動、リスク回避)」になるでしょうか。いずれにも良し悪しはなく、その企業のライフステージや時代性によってうまく「はまる時」、もしくは「はまらない時」があります。

 

 どちらにしても、目指すビジョンは必要であり、ビジョンに向けてどう行動を起こすかによってタイプが分かれます。ちなみに、私の経験上、創業者には猪突猛進型が多く、後継者には沈思黙考型が多い傾向です。

 

 また、一般的に猪突猛進型は「不安定な時代」や「創業期」にマッチし、沈思黙考型はその逆で「安定した時代」や「成熟期」にマッチするようなイメージがあります。

 

 さて、個別企業のライフステージは何百万と異なる状況があるので置いておきますが、一方の時代性では、近年「今こそ激動期」「●●年に一度の危機」と報じているメディアが目立ちます。特にコロナ禍もあり、一般人に対する生活様式変容の影響も大きいことから、ビジネスだけではなく広く社会一般に「激動期」の印象が浸透しているのではないでしょうか。

 

 私もこのところ色々と大きな動きがあるな…と感じており、猪突猛進型の経営者がマッチする時代なのかな…と短絡的に思っていました。しかし、長期的視野で俯瞰して見ると、思っている姿と随分異なっている「事実」が浮かび上がってきます。

 

 一橋大学教授で競争戦略を専門にする楠木健氏によれば、「日経ビジネスを1969年の創刊号から読んでみると、今回のコロナ騒動は戦後23回目の『戦後最大の危機』であり、12回目の『100年に一度の危機』で、今は早くも24回目の戦後最大の危機となるウクライナ侵攻が起きている」とのこと。

 

 要するにずっと激動期。激動期が安定して続いている状態。つまり今が普通で、変化が常態だということです。VUCAの時代と言われて久しいですが、それは今に始まったわけではなく、世の中常に激動しっぱなし。むしろ近年は不確実性の高い戦国時代や明治時代、世界大恐慌の時と比べ「平常期」だと楠木氏は言います。

 

 翻って、「猪突猛進型」でも「沈思黙考型」でも、経営者は成果を残すことが求められています。企業のライフステージや時代性によってマッチするタイプは違うかもしれませんが、そもそもライフステージや時代性は「どう見るか」で全く変わってきます。結局、各々のやり方はどうあれ、自分自身の軸(目指す姿)を明確に持っている経営者しか成功はなしえないのです。

 

 人は「安定」を求めたがります。ですが、常に激動する時代で、人がつくった「安定」によりかかるほど危険なことはありません。経営者でも従業員でも、自らが動いて安定をつくっていくしかないのです。

 

 さて、皆さんは「猪突猛進型」「沈思黙考型」のどちらのタイプでしょうか。私はどちらかというと「沈思黙考型」ですが、時代と合わなかった…などと言い訳しないように、自分の目指す姿に向かって行動していきたいと思います。

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