
皆さんの会社は、スタッフの「心とからだ」の健康を守る環境づくりができていますか?
先日、弊社が主催するセミナーで「職場における安全と衛生」をテーマに講義をしていただきました。私自身、安全衛生に対する意識も行動も不十分だったな…と気づきや反省点が多くありました。
経営者はともすれば「攻め」であるマーケティングやセールスに執着し、「守り」であるマネジメント、例えば職場の安全性を高める施策には無頓着になりがちです。マネジメントは直接的に収益につながらない(と思っている)ので、どうしても後回しになってしまいます。
「そんなことより売上を取らないと会社が存続できない」 確かにそれはそうかもしれませんが、売上は最終的な結果が数字として表れているだけです。それまでに関わった人の数や手間は膨大であり、そのプロセス一つ一つに成果の種が埋もれています。
で、スタッフに最大限のパフォーマンスを発揮してもらうためには、当たり前ですが職場の環境を整える必要があります。この点、今でこそ身体的な危険性は減少し、職場での怪我などは減りつつありますが、それでもちょっとした事故は少なからず起こっています。
それに加え、最近は心、つまりメンタルヘルスのケアが重要になっています。マズローの欲求5段階説に倣えば、生理的欲求(生命の維持)、安全の欲求(身体的安全)に関しては、完璧とは言えないながらも改善が進んでおり、多くの職場で整えられつつあります。
今ではそれより上、社会的欲求(集団への所属)や承認欲求(承認や称賛)、さらには自己実現欲求(なりたい自分になる)に対する要望が強い状況になっています。ここが満たされないことでいわゆる「心のスキマ」が生まれ、心の健康を損なう人が増えているとされています。
Googleのプロジェクトで注目された「心理的安全性」はメンタルヘルスにもかかわる重要な概念です。「不安や恐れを感じることなく、発言や質問ができる環境や関係性」を意味し、どの職場でも必要な考え方だと思います。
一方で、あまりに気遣いが過ぎると逆効果になり、「慣れ合い」や「緩すぎる」状態を招いてしまいます。まさに過ぎたるは猶及ばざるが如し。「場づくり」の塩梅は非常に難しく、時間をかけてその場その場での試行錯誤を積み重ねるしかありません。
結局のところ、カギを握るのは経営者です。現場の雰囲気は必ず経営者の人となりが表れています。すべては経営者の責任。やり方(スキル・ノウハウ)ではなくあり方(ビジョン・価値観や姿勢)の問題なのです。表面的なやり方を導入するだけでは、本質的な解決にはつながらない。逆に言えば、経営上の多くの問題は、経営者のあり方が変わるだけで解決するのです。

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