
創業して間もない経営者の方を支援する機会が増えています。依頼内容は基本的に「売上アップ」がほとんどです。何とか開業はしたものの計画を大きく下回る実績が続き、経営者の取り分もなく返済もままならない。
すぐにでも売上を上げないとマズい状況ですが、「売上アップ」はそんなに簡単ではありません。ある程度の時間がかかります。すぐに効果が出る施策はすぐに効果がなくなる。むしろやらない方がいいパターンも多く、売上は時間をかけて徐々に伸ばすのが遠回りの様で一番の近道です。
創業して間もない事業者に無駄なコストはそうそうありません。つまりコスト削減して利益率改善もできない。結局、純粋に売上を伸ばさなければ事態の打開は図れない。とはいえ、先述のように売上を伸ばすにはある程度時間がかかる。
どうすればいいか。黒字転換するまでの資金を調達しておくほかありません。ここで明暗が分かれます。つまり、創業時に複数の金融機関とのパイプを作っておいたかどうか。
日本政策金融公庫から創業融資を受ける事業者は9割以上です。しかし、公庫のみでは万一資金が枯渇した際、リスクが非常に大きくなります。公庫には「創業融資を行った先に対しては、半分以上返済が進まなければ新規融資に応じない」という不文律があるからです。
日本政策金融公庫での創業融資は多くの場合、運転資金なら5年返済、設備資金なら7年返済です。半分以上返済が済むタイミングは、据置期間を設定しなかった場合、運転資金で2年半、設備資金で3年半。その間は新規融資に応じてもらえません。
公庫に断られると、次に行くのは民間金融機関。しかしそれまでつきあいのなかった近所の金融機関に出向いて急に融資を依頼しても、まず断られます。今までまったく取引がない事業者は、金融機関にとって「まったく情報のない相手」だからです。
一方、懇意にしている民間金融機関を確保していれば、何とか融資しようと努力してくれます。たとえば、創業時に公庫と同時に民間金融機関からも創業融資を受け、今も月に1度のペースで担当者が訪問してくるほど良好な関係が築けていれば、柔軟に対応してくれる可能性は飛躍的に高まります。
民間金融機関から融資してもらえる事業者になるには、創業時から民間金融機関との良好な関係を構築し、普段からコミュニケーションをとっておくことが重要です。
経営者の皆さん。金融機関と良好な関係が築けているでしょうか。苦手意識のある方も多いですが、可能な限り複数の金融機関と取引関係をつくっておきましょう。万一の時に助けてくれる存在をつくっておくのも経営者の仕事の一つです。

コメント