
「『ゾンビ企業』3割増25万社 22年度、ゼロゼロ融資余波」2024年1月19日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「本業の利益で借入金の利払いをまかなえない『ゾンビ企業』が増えている」としています。
ゾンビ企業とは、本業の利益や配当金で借入金の支払利息をまかなえず、金融機関によるリスケジュール(リスケ、融資条件の変更)や政府による資金繰り支援などで延命している企業を指します。
借入金の平均は月商の10か月分にのぼり、自己資本比率は▲5.4%と債務超過状態、5人以下の小規模企業が4分の1を占めています。
コロナ対応のゼロゼロ融資総額は43兆円で、そのうち2兆円が不良債権化する可能性があると言われています。スピードを優先した結果、副作用が出るのはやむを得ないものの、今後は延命された企業の倒産数がさらに増えてくるでしょう。
そもそも、国内の赤字企業は例年6~7割程度あります。赤字企業とは、売上以上に費用がかかり、逆にお金を払いながら事業を続けている状態。はっきり言えばやらない方がまし。利益が出ていなければ税金もほとんど払えず、借入金も返せません。
コロナ前からこんな状態の企業は多く、それがコロナ融資で延命されている。この3年間ずっと言われ続けていたことです。もちろん、融資で助けられた企業も相当数あるでしょう。ただ、コロナ後となった今、「潮が引いてはじめて、誰が裸で泳いでいるのかがわかる」状況です。つまり本当の姿はいつか露見する。
これはウォーレン・バフェットの言葉で、投資家界隈に向けて言われたものですが、さまざまな局面でも使える言葉だと思います。この3年はコロナという大波ですべてが覆われ、実態にそぐわぬ形でお金が集まりやすい状況でした。
その波が引いてしまうと、本来の姿が露になります。誰が裸で泳いでいたのかがわかる。つまり、退場すべき企業が明らかとなる。厳しい言い方ですが、「裸の企業」はダラダラと続けず撤退した方が傷は浅くて済みます。
ビジネスモデルがすでに破綻している経営者も数多く見てきました。「粗利ベースでマイナスの企業」はその最たるもので、やればやるほど赤字が拡大する。これでは続ける理由がありません。
一旦リセットするのは大変な判断ですが、それでも経営者がすべき最も重要な経営判断の一つです。変なプライドで凝り固まってゾンビ企業になるより、先を見据えた賢明な判断をしていきましょう。「将来をつくること」は経営者しかできない仕事です。

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