ニュースの論点No.792 一瞬で失うもの

「洋菓子店「シェ・タニ」賞味期限を改ざん “本来は期限3か月” の商品を1年間にわたり販売 熊本」20241015日、RKK熊本放送はこう題した記事を掲載しました。

 

熊本市の老舗洋菓子店「シェ・タニ」が、賞味期限を改ざんして販売していたというニュース。長年にわたって地域に愛されてきたこの店が、ほんの一瞬の過ちで築き上げた信頼を失いかけています。

 

これは企業経営において、信用がどれほど重要で、それを失うことがどれだけ致命的かを改めて示してくれています。

 

信用を積み重ねるには年月と努力が必要です。シェ・タニも地元で30年以上にわたる経営において、日々の誠実な対応や品質管理、顧客との丁寧なやり取りなどを積み重ね、少しずつ信頼という形を作り上げていったのでしょう。

 

しかし、今回の賞味期限改ざんによって、その長年の努力が一瞬で崩れようとしています。売れ残ったチョコレート菓子の賞味期限を延ばして販売し続けるという誤った判断。

 

健康被害がなかったことがせめてもの救いですが、消費者はその事実をどう受け取るでしょうか。「あの店は不正をした」という印象が残れば、その回復には途方もない時間と労力が必要です。

 

顧客は企業が誠実であること、商品の安全性や品質に対して疑いを持たないことを期待しています。その期待を裏切れば、信頼の回復はほとんど不可能に近い。いったん貼られたレッテルは容易には剥がれないのです。

 

「天網恢恢疎にして漏らさず」とはよく言ったもので、不正はいつか必ず発覚します。今回も元従業員からの通報で事態が明らかになりました。不正は社内からも漏れるものであり、消費者の目も厳しい。

 

SNSなどでの拡散も瞬時に行われる今、隠し通せるものではありません。不正行為が発覚すれば、企業はただちに信頼を失い、それを取り戻すために多大な時間とコストがかかります。そして、すべての企業が回復できるわけではない。

 

皆さんの会社では、日々の業務の中で信用をどのように守っているでしょうか。目の前の利益に惑わされ、短期的な解決策を選んでしまうことで、長期的な信用を失ってしまうことはないでしょうか。

 

信用は無形の資産であり、目に見えないからこそ、その重要性が時に見過ごされがちです。しかし、それを失うリスクはどんな利益よりも大きい。

 

信用を失うことは、すなわち企業の価値を失うことと同義です。顧客がその企業を信用できなくなれば、どんなに良い商品やサービスを提供しても選ばれなくなります。

 

現代の消費者は、単に商品だけではなく、企業そのものの姿勢や誠実さにも注目しています。だからこそ、経営者として日々の業務の中で「信用を守るために何をすべきか」を常に考え続ける必要があります。

 

今日、あなたの会社は顧客との信用を守るためにどのような行動を取っているでしょうか?信用は積み重ねるのに時間がかかりますが、失うのは一瞬です。日々の行動が、企業の未来を決めるという意識を持ち、常に顧客や社会に対して誠実な対応を心がけてください。

 

 

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