
「ついに”ほぼ全ての行為”が「ハラスメント」に..ますます激増した「新型ハラスメント」の全容」2024年11月10日、Yahoo!ニュースはこう題した記事を掲載しました。
タイトル通り、新型ハラスメントが話題になっています。その数なんと40以上。シカハラ(資格ハラスメント)やカラハラ(カラオケハラスメント)といった新しい名称が増える中、「職場でどこまで気を配るべきか」と悩む方も多いかもしれません。
これらは決して新しい問題が生まれたわけではなく、もともと存在していた摩擦が、時代の変化と価値観の多様化によって可視化されたものだといえます。
特に、世代や立場の違いによる「価値観の分断」、リモートワークの普及による「対面機会の減少」により、互いの感情や考え方を十分に理解する余裕が持ちにくい今、こうしたハラスメントの問題が表面化しやすくなっているといえるでしょう。
たとえば、「シカハラ(資格ハラスメント)」は、職場で資格取得を求められることで相手に意図せずプレッシャーを与える行為です。上司や先輩は「期待の表れ」としての声かけをしているつもりでも、「社会的圧力」として作用し、後輩や部下にとっては精神的な負担になっているケースが多く見られます。
「ツメハラ(爪切りハラスメント)」は、職場で爪を切る行為が周囲に不快感を与えるケースです。これには、「感覚過敏性」といった個々の感覚差が影響しています。特に音や匂いに敏感な人にとっては、些細な音が大きな不快感を生むことがあるため、周囲への配慮が欠かせません。
さらに、「カラハラ(カラオケハラスメント)」では、職場の飲み会でカラオケを強要されることで、内向的な人にとっては強いストレスを感じる原因となります。心理学では「内向性」と「外向性」の違いがあり、特に内向的な人にとって大勢の前でのパフォーマンスは大きな負担になることがわかっています。
また「オカハラ(お菓子ハラスメント)」は、特定の人にだけお菓子を配らないことで疎外感を与える行為で、「集団帰属の欲求」に関係しています。人は集団の一員として認められることで心理的に安定しますが、そこから外されたと感じると強い孤立感を覚えます。
他にも「エアハラ(エアコンの設定温度など制限する)」「キボハラ(キーボードやマウスの音で不快にさせる)」「キメハラ(鬼滅の刃を見ていない人に執拗に話題を振る)」「ヤキュハラ(野球を見ない人に執拗に話題を振る)」などなど…。
こうした新型ハラスメントの背景には、「自己中心性バイアス」が大きく影響しています。私たちは無意識のうちに「自分が感じるように相手も感じているだろう」と思い込みやすいものです。
現代の職場環境では特に「自己中心性バイアス」がまん延しやすくなっています。リモートワークの増加で対面の機会が減り、相手の感情や意図を察しにくく、些細なズレがハラスメントと捉えられる可能性が高まっているのです。
こうしたハラスメントリスクに対処するためには、単に「気をつける」だけでは不十分です。私たちは、まず「相手は自分と同じではない」という前提を持ち、「歩み寄り」の姿勢で相手と向き合うことが重要です。
心理学における「共感」の視点からも、人は「自分のことを理解されている」と感じると安心し、信頼関係が深まることがわかっています。お互いに異なる価値観を持つことを前提に、相手の感じ方に耳を傾け、共感しようとする姿勢が、真のコミュニケーションを生むのです。
私たちは、どれだけ時代が変わっても、社会的つながりの中で安心と信頼を得る存在です。経営者やリーダーとして、また一人の人間として、まずは「相手を知ろうとすること」を大切にする姿勢が、健全で豊かな職場環境をつくる鍵となります。

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