ニュースの論点No.840 マスク世代との向き合い方

「今年の新入社員は「マスク世代」…職場に増え続ける「叱られた経験がない若者」の傾向と対策」202541日、Yahooニュースはこう題した記事を掲載しました。

 

新型コロナウイルスの影響で、大学生活の大半をオンラインで過ごした「マスク世代」が社会人としてデビューしています。

 

対面での交流が極端に少なかったため、表情や声の抑揚といった非言語情報を読み取る力が十分に培われず、自己の感情や課題に気づきにくい傾向がみられます。

 

その結果、企業は新入社員の育成に従来以上の時間とコストを投じなければならず、また投資したとしても、売り手市場によって条件の良い他社への転職リスクが増大しています。

 

この問題は新入社員だけに留まらず、ビジネスパーソン全体に共通する問題です。問題解決にまず必要となるのは「傾聴」です。

 

しかしながら、約8割のビジネスパーソンは本来の「傾聴」、すなわち相手の話に心を込めて聴き、真意や感情を正確に把握することに無関心です。

 

多くの人が、自分が発信することこそがコミュニケーションの全てだと誤解し、相手の本音や背景にある意図に耳を傾けない。

 

テキスト中心のデジタルツールの普及に伴い、対面や電話での生の対話が激減したことも「聴く力」が失われつつある要因の一つです。

 

経営者や管理職は、まず自身のコミュニケーションスタイルを見直す責務があります。

 

例えば、業務上の課題に直面している新入社員に対し、単に上から指示を伝えるだけではなく、具体的に何が障壁となっているのか、どの部分に苦労しているのかを丹念に聴き出し、解決策をともに模索する姿勢が必要です。

 

この点、経営者や管理職に悪気はないのですが、片手間で聞いて相手への反応を示さない人が非常に多い。顔も向けず、目も見ず、うなずきもせず、笑顔もない。部下は何も言いませんが、報告する回数や内容は激減していきます。つまりリスクが増大する。

 

逆に上層部が率先して「聴く」態度を示すことは、部門間やチーム内に信頼と連帯感を育み、組織全体のパフォーマンス向上に直結します。

 

本来、コミュニケーションは一方通行の発信ではなく、互いの意見や経験を交換し合うことから成立します。社員同士が自然に視点や思いを共有できる環境が整えば、個々の成長のみならず、企業全体の競争力が強化されるでしょう。

 

定期的なワークショップやメンター制度を活用して実践的な「聴く」スキルを磨く取り組みは、育成コストの軽減や離職率の改善にも確実に寄与します。

 

経営者は単に情報を発信するだけではなく、すべての社員が心から聴く姿勢を身につけられる「場づくり力」が必要です。ぜひ自ら率先して傾聴し、「安心安全な場」をつくりあげていきましょう。

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