コラムNo.841 応募はあるのに採用できない──“採れる求人”に変える3つの視点

 

最近、人手不足にともなう「採用難」についてのご相談が増えています。
先日も、大手飲食チェーンで複数店舗を統括するエリアマネージャーの方から、こんな悩みが寄せられました。

「応募は毎月あるのに、なかなか採用に至らないんです

ネームバリューのある企業で、応募がゼロというわけではない。
むしろ1カ月で何件もエントリーがあり、求職者の関心も高い。にもかかわらず、面接まで進まない人が半分、面接してもマッチしない人が半分──。結果、採用ゼロという状況でした。

 

採用できない理由は「求人票」にある

一緒に求人票と自社採用サイトの内容を見直してみたところ、原因はすぐに見つかりました。
それは、「実態と違う期待を抱かせてしまっている」ことでした。

募集はパート扱い、勤務時間は複数あり、いかにも柔軟な働き方ができそうに見える。
ところが、実際はフルタイム並みに働ける人でないと戦力にならない内容です。

求職者から見れば、「短時間でも働けると思って応募したのに」と感じてしまいます。
その時点で、会社への信頼も興味も薄れてしまうのです。

 

「採れる求人」への転換

このような時代、せっかく応募してくれた方は本当に貴重な存在です。
企業はそのかけがえのなさを軽視せず、柔軟に対応し、最大限活かしていく必要があります。

私自身もアパレル小売業を経営していますが、以前は23つの固定シフトで組んでいました。
しかし今、それは現実的ではありません。長時間勤務できる人材が極端に少なくなっているからです。

現在は、短時間勤務のスタッフも複数名雇い、それぞれの「働ける時間」を組み合わせてシフトを作成しています。
このような「パズル型の勤務体制」にシフトしたことで、むしろ定着率が上がりました。

ちなみに、現在働いているスタッフの多くは「アルムナイ」──一度退職した方々を再雇用しているケースです。
信頼関係がすでにあるため、再び活躍してくれる確率も高いのです。

 

求人票を書き直すだけで、応募の質が変わる

冒頭の飲食チェーンには、まず「どんな人に来てほしいか」を明確にするところから始めてもらいました。
そのうえで、実態と合致した求人票に修正してもらう。
たとえば、「将来店長やマネージャーを目指す人」を求めるなら、入社後のキャリアパスを具体的に提示する必要があります。

また、「応募から面接までのスピード」も大きな分かれ道です。
今は応募者の多くが複数企業に同時応募しています。
連絡が遅ければ、その時点で候補から外れてしまうのです。

私は「応募後即日連絡・即日面接設定」を推奨しています。
これだけで、優秀な人材を他社に取られる確率がグッと減ります。

 

 採用難を突破する3つの実践ポイント

  1. 求人票を実態ベースで書く
     ⇒ 誤解を生まないことで、応募者の満足度と採用確率が上がる。
  2. レスポンススピードを最優先に
     ⇒ 応募から面接までの時間を短縮し、他社に流出させない。
  3. 短時間勤務スタッフでも回せる体制を作る
     ⇒ シフトを「人に合わせる」ことで、働きたい人を逃さない。

 

人手不足は今後、さらに深刻になります。
これまでのように「空いた穴を埋める」採用では、立ち行かなくなる時代です。

採用とは、企業の価値観を共有する仲間集めだと私は考えます。
だからこそ、誠実な情報開示と柔軟な体制整備が欠かせないのです。

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