
「ペット飼育は年収1300万円増に匹敵 経済学で「満足度」分析 英研究」2025年4月13日、時事通信社はこう題した記事を掲載しました。
英国の研究によれば、犬や猫などのペットを飼うことによって得られる「生活の満足度」は、なんと年収にして1300万円の増加に匹敵するという結果が示されました。
結婚と同等、いやそれ以上のインパクトがあるとのことです。この事実に驚かれた方も多いのではないでしょうか。
この研究が示唆するのは、単なる動物の存在価値を超えた、「感情の投影先」としてのペットの経済的価値です。ペットは私たちの感情の受け皿であり、癒しの源であり、ストレスの緩衝材でもあります。
この現象は何も動物に限りません。アイドルや俳優といった「推し」、オンライン配信者、あるいは趣味やコレクションなど、感情を注ぎ込める“対象”は多岐に渡ります。
背景にあるのは、感情経済の時代の到来です。モノを買うだけでは人は満たされなくなり、今や「どう感じるか」「どれだけ自分を投影できるか」が、消費や満足度の鍵を握っています。
かつては贅沢品と見なされていたペットが、今では生活に欠かせない“心のインフラ”として扱われるのも、この流れと無縁ではありません。
また、AIやテクノロジーが進化するほど、人は逆に「生身の関係性」を求め始めています。オンラインで何でもできるからこそ、リアルな対話や触れ合いが“希少価値”として際立ちます。だからこそ、ペットや趣味、家族や仲間とのコミュニケーションは、ますます価値を増していくのです。
ここから経営者が学べる視点は二つあります。
一つは、自社の商品やサービスが「感情の投影先」になるかどうかという観点です。それは“推し”としてのブランドであったり、自己表現の手段としての体験であったりします。単なる利便性や価格だけで勝負するのではなく、いかに「共感」や「愛着」をつくれるかが今後の差別化要因となるでしょう。
もう一つは、社員や顧客との“生身の関係”をどう育てるかです。業務効率化を進めながらも、あえて「人が関わる」時間を大事にする設計が必要です。ビジネスの合理性と、人間関係の非合理な価値をどうバランスさせるか。これが持続的な企業価値に直結する時代です。
働く時間が減り、余暇が増える今後、消費の主戦場は「感情」と「共感」に移っていきます。ペットが証明しているのは、ビジネスが“数字”だけでなく“気持ち”で回っているという当たり前の事実です。
今後はより「感情」の重要性が高まります。ビジネスだから「ドライ」ではなく、戦略的な「ウェット」が求められているのです。

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