
皆さんの会社に「日報」はあるでしょうか。日報とは、言わずもがな、日々の業務について報告する書類です。業種や業態を問わず、多くの企業で何らかの形で取り入れられていると思います。私が経営するアパレル小売会社でも、日報は改良を重ねながら10年以上活用しています。
ただこの日報、現場ではあまり歓迎されていないのが実情です。「細かすぎる」「書いても誰も見ていない」「意味がない」「時間のムダ」「役に立っていない」「業績と関係ない」といった声は、決して少なくありません。
実際、私の会社でも「面倒くさい」と言いたげな表情で、いやいや書いている社員の姿を見かけることがあります。「もっと自由に仕事をしたい」という気持ちも、わからないではありません。
しかし、日報すら満足に書けない状態で成果を出すことは、非常に難しいと言わざるを得ません。日報の内容から、その人の仕事に対する姿勢や思考力、行動の質が、ほぼ見えてくると私は感じています。
もちろん、意味のない情報を並べさせるような日報、上司のための報告資料や会議用の情報収集ツールと化しているものもあり、それが現場で活用されていないのであれば、逆効果と言ってもいいでしょう。
つまり、日報を単なる「記録」や「報告」として使うだけでは意味がありません。もしそうなら、むしろやらない方がマシかもしれません。
では、日報を有効にするにはどうすればいいのか。結論を先に述べれば、日報はコミュニケーションツールとして使うべきものです。書く内容はもちろん大切ですが、それ以上に重要なのが、提出後の「フィードバック」です。
どれほど考えて書かれた日報でも、上司からの反応がなければ継続は難しくなります。学習性無力感が働き、やがて「やってもムダ」という感情が蓄積され、やっつけで書くか、最悪の場合、書かなくなってしまうのです。
つまり、日報が機能するかどうかのカギを握るのは「上司の関わり方」にあります。上司が日報を必ず確認し、成果だけでなく行動そのものを認め、適切なフィードバックを行う。これが最も大切なポイントです。
そのためには、日報に「成果目標」と「行動目標」の両方を記載することが求められます。ただ漫然と1日の出来事を記すだけでは不十分です。
例えば、成果目標(売上など)は他者との関係性の中で決まるもので、完全に自分の力ではコントロールできません。しかし、行動目標(訪問件数や電話アプローチ数など)は自分の意志と努力次第で実行できるものです。
上司は、部下の日報を通して「成果と行動が結びついているか」「行動量は足りているか」「他に有効なアプローチはないか」といった視点で日々確認し、必要に応じて助言や励ましを行う。こうして初めて、日報は職場内の密なコミュニケーションを促す道具として機能します。
経営者の皆さん。あなたの会社の日報は、今、しっかりと活用されていますか? もし、ただ書かせるだけで上司の反応がなければ、日報は単なる負担、ムダな作業になっているかもしれません。
日報を生かすも殺すも、それをどう使うかにかかっています。そして、その使い方を決めるのは、まぎれもなくトップである「あなた」です。

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