
「若い世代だけでなく40代・50代も「リベンジ退職」 引き金は「黒字リストラ」か?」2026年2月24日、Yahoo!JAPANニュースはこう題した記事を掲載しました。
業績好調な企業による早期退職の募集が相次ぎ、就職氷河期世代である40代から50代が主な対象となっています。この黒字リストラを契機に、会社に打撃を与える「リベンジ退職」が中高年にも波及する可能性が指摘されています。これは単なる反発ではなく、根深い構造的問題が表面化した結果です。
現在の人材市場は、極端な二極化による「まだら模様」を呈しています。定型的なデスクワークがAIに代替される一方、介護や福祉などの現場仕事は深刻な人手不足です。しかし現場の多くは、公定価格や下請け構造などの影響により、最低賃金に近い低賃金労働が蔓延しているのが実態です。
この歪みの背景には、企業と従業員双方が抱えてきた「依存」という甘えが存在します。企業側の問題は、現場を単なるコストと見なしてきた点です。現場の知恵を仕組み化して付加価値を高める努力を怠り、安価な労働力に頼り続けた経営の怠慢が、ベテラン層の活用不全と低賃金構造を招きました。
対する従業員側の問題は、会社の雇用保障に寄りかかり、市場価値を更新する努力を止めてしまうケースがあることです。過酷な氷河期を生き抜いた自負が「会社が報いてくれるはず」という依存に変わると、キャリアの自立が阻害され、いざという時に他責的な行動に走る危険性を孕んでしまいます。
しかしAI時代においては、こうした古い価値観を根本から覆さなければなりません。デスクワークがAIに代替される一方で、複雑な環境で最適解を導く「現場仕事」の価値は高まっています。専門性とITを駆使し、現場で高収益を上げる「ブルーカラー・ビリオネア」という層も現れ始めました。
リクルート創業者の江副浩正氏は「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」との言葉を残しました。前文は他者に依存せず自分の足で立つ「自立」を、後文は自らを律し学び変わり続ける「自律」を意味していると私は解釈しています。AI時代を生き抜くには、双方がこの二つの「じりつ」を果たす必要があります。
経営者に求められる「自立」とは、人手不足を嘆くのではなく、優秀な人材が活躍できる機会を自らの手で創り出すことです。そして「自律」とは、現場を低賃金構造から脱却させるため、経営者自身が猛勉強し、これまでの収益モデルや自らの経営手法を根本から変革していく覚悟を指します。
従業員に求められる「自立」は、会社に依存せず、自らの価値基準で現場の課題を見つけ出すことです。そして「自律」は、その機会を通じて手足を動かし、環境変化に合わせて自らのスキルを変え続けることです。
双方がこの二つを体現することこそ、企業を持続的な成長へと導く唯一の道となります。

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