コラムNo.701 やりたいだけではうまくいかない

 最近、創業支援、特に創業融資に係る事業計画策定のお手伝いをする機会が増えています。創業予定者は30代の方も多く、自分自身が「やりたいこと」を中心に先々のことも良く考え、大半の方がしっかりと計画を立てていらっしゃいます。

 

 若いのによく考えているな…と思う一方で、共通する懸念点があります。それは「お客が見えない」ことです。つまりどうやって「集客」するのか。もっと言えば、「お客は誰か」。

 

 ターゲットめいたものは書いてありますが、わかるようでわからない。集客も「SNS」や「インフルエンサー」を使って…と具体性に欠き曖昧な内容。求めるお客がどこにいるのかも不明。そもそも取り扱う商品やサービスにニーズが存在するのかもわからない。

 

 もちろん、事業の大半は「やってみないとわからない」のですが、それにしても不明点が多すぎる。特に創業融資に関しては、金融機関側を納得させる計画策定が必須です。できなければお金を借りることができず、スタートラインにも立てない。

 

 自分自身がやりたいことは鮮明な絵になっている反面、それをうまく現実に落とし込めていない。「やりたいこと」や「ビジョン」があるのは素晴らしいことですが、実現できなければ単なる絵に描いた餅です。

 

 要するに「どうやって儲けるのか」。身も蓋もない言い方になりますが、事業とはまさにこの点で明確な答えを持って臨まなければならない。

 

 お金を払ってくれるのはお客です。その積み重ねが売上となり、会社の儲けの源泉になります。にもかかわらず、創業者の多くが「お客」を定めていない。

 

 そもそもお客はどれくらいいるのか。お客はどうやってその商品やサービスを知り、なぜそれにお金を払うのか。「まったく未知の商品だからわからない」という声もありますが、それは単なる甘えです。

 

 世の中にデータがなければ自らつくることです。周囲の家族親族、友人知人に使ってもらう。SNSで好きそうな仲間を集める。クラファンでテストマーケティングしてみる。さまざまなアプローチを使って自分なりに「根拠あるデータ」はつくることができます。

 

 とにかく、事業を始めてから実践ではなく今の段階でできることをやる。「金融機関がお金を貸してくれなかったからできない」ではなく、今できる範囲でとにかくやってみる。

 

 翻って、自分がやりたいことを現実に落とし込み、形にするには「計画と実践」「検証と改善」を続けることが肝要です。つまりPDCAサイクルを回す。その土台が事業計画であり、「誰に何をどのように」提供するのかという戦略が柱になります。

 

 この「誰に」の部分が抜け落ちると当然上手くいきません。明確な顧客像をイメージし、言語化してください。そこから自分の絵が現実になっていきます。

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