コラムNo.773 魚も組織も頭から腐る

 「組織は頭から腐る」という言葉があります。「魚も組織も頭から腐る」と言われたりもします。要するに「組織の崩壊はトップの利己的で無責任な行動や判断が引き金になって起こり始める」ということを表した言葉です。

 

 私自身、経営者をやっていたこともあり、自戒の念を込めての話になりますが、会社をはじめとしたあらゆる組織の成否は100%トップ次第です。つまりトップの能力以上の組織にはなり得ない。

 

 そして冒頭の言葉のように、腐るときはトップから腐り始めます(もともと腐っている場合もあります…)。

 

 私は仕事柄さまざまな会社に訪問しますが、社内の雰囲気や整理整頓の状況にはその会社の業績が如実に表れています。雰囲気が悪く、散らかっている職場で業績が良い会社は見たことがありません。

 

 現場の状況には経営トップのあり方、やり方が反映されています。厳しい言い方になりますが、トップがダメならすべてがダメになる。逆にトップが良ければ、ダメと言われていた社員も改善される。

 

 これは会社全体でも、支社単位でも、店舗単位でも、あるいは仲間内のサークルなどインフォーマルな組織でも同様です。

 

 最近も複数の会社や団体に訪問し、色々と話を聞いたりしましたが、やはり問題がある組織はトップに問題がある。というよりトップにしか問題はない。

 

 「うちにはロクな社員がいない」というセリフは問題のある経営者からしか聞きません。要するに自分の事を棚に上げている。会社は経営者の鏡でしかないのです。

 

 組織を私物化し、利己的な目的を達成するために権限を利用(悪用)してメンバーから搾取し、支配するようなやり方をしている人も実は少なくない。皆さんの身近にもいるのではないでしょうか。

 

 そんな組織では優秀な人がどんどん抜けていき、能力のない使い勝手のいい人しか残りません。もちろん組織自体、長く続くわけもない。

 

 私の経験上、そのような会社や組織のトップが心を入れ替え、変わることはまずありません。むしろその性質は増強されていきます。

 

 挨拶がない、責任の所在が不明、評価基準が曖昧、ハラスメントや悪口が横行しているなど、組織は崩壊する前兆です。すべての関係者はこれらを少しでも感じたら先々のことを考えた方がいいでしょう。

 

 もちろん、組織の変革ができればそれに越したことはありませんが、トップに変わるつもりがなければ土台無理な話です。我々が経営改善支援に入ってもトップが行動変容しなければ良くなることは絶対にありません。

 

 経営者の皆さん。あなたの会社は大丈夫でしょうか。組織は必ず頭から腐ります。この点、「組織と魚は天日にさらせ」と元Jリーグチェアマン村井満は言います。

 

 この言葉は組織運営において情報を外部に開示する透明性と、環境に応じて柔軟に対応する能力が長期的な発展に不可欠であることを示しています。私もこの言葉を肝に銘じ、行動に落とし込んでいきたいと思います。

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