コラムNo.795 八方塞がりな時にするべきこと

先日、ある商品の小売や修理・メンテナンス、また教室や個人レッスン等のスクールを事業とされている経営者の方から御相談がありました。

 

ここ数年は売上が横ばいで若干の赤字が続いています。売上はピーク時から3分の1程度となり、今は従業員を雇用せず、講師との業務委託契約で人材を賄っています。

 

相談には先代と現代表者のお二人で来られ、お二人ともこの先が不安だとおっしゃられています。

 

先代は家賃負担が重いため、賃貸で行う教室などを閉鎖し、実家に事務所を移転して固定費を削減する案を考えていらっしゃいました。

 

現代表者は今の場所か、もしくは民間の教育機関や事業者と連携し、一部スペースを時間貸し等で使わせてもらい細々と継続する案を考えていらっしゃいます。

 

双方の方向性が大きく違うわけではありませんが、細かなやり方については異論を持たれているようです。

 

いずれにしても、「今後どうしたらいいんだろう」と漠然とした不安をお持ちで、自分たちなりに解決策を考えてもなかなか不安はぬぐえず、頭の中で様々な思いが堂々巡りしている様子です。

 

この点、同じようにお悩みの経営者の方は世の中に相当数いらっしゃいます。そして大半の方に共通する点があります。それは、「現状が見えていない」ことです。

 

特に現状の「数字」が見えていない。

 

表面的なことは何となく把握されていますが、それらが持つ意味についてはあまり考えておられない方が目立ちます。

 

今回は決算書を3期分お持ちでしたので、それを基に現状把握と移転後のさまざまなシミュレーションを行いました。

 

これまで私が経験した多くのケースと同様に、今回も当事者にとって「意外」な結果が表れます。

 

まず、移転をした場合は売上減少、粗利率悪化、赤字幅拡大という散々な試算結果になりました。あくまでシミュレーションなので実際の結果とはズレる可能性はありますが、大枠で見ればいい打ち手とは言えません。

 

一方、今の場所で固定費を可能な限り圧縮すると、売上目標(損益分岐点)も現実的なものとなり、未来に希望が見えてきます。

 

つまり「根拠ある売上目標」が明確になることで、目の前の霧が晴れ、やるべきことが明確になる。

 

これだけでも十分に効果がありますが、これに加え、ダラダラとやるのではなく「3年の期限」を切って集中して実践することを推奨。

 

期限を切ることで「健康的な強制力」が働き、選択と集中による「効率的な行動」が促進され、なによりゴールが見える「安心感」が精神的安定を生み、踏ん張りがきくようになります。

 

相談後、お二人の顔も非常に明るくなり、「来る前はお先真っ暗な感覚だったが、今日の話を聴いてモチベーションが上がり、悲観的な考えもなくなった。ぜひこれから頑張っていきたい」とのお声をいただきました。

 

経営者の皆さん。毎日、自分の仕事や業界だけ見ていると視野が狭まり、最適な経営判断ができなくなります。もし「八方塞がり」と思ったときは、ご自身で現状を把握するのはもちろん、第三者の目を入れることをお勧めします。

 

あなたにとっての「大問題」は、外から見れば「朝飯前」にできる日常業務かもしれません。一人で悩まず、周囲の力を活用しましょう。成功する経営者は相談するのが得意です。

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