コラムNo.815 事業計画は意味がない?

経営者の方であれば、毎年事業計画を作成される方が多いと思います。一方で「事業計画なんてその通りにいかないからつくってもムダ!」と自分の勘や経験に任せ、野性的に経営の舵取りをされている方もいらっしゃることでしょう。

 

この点、「計画通りにいかない」のは、まったくもってその通りです。異論ありません。激しく同意します。私も相当数の事業計画作成支援を行っていますが、これまでその通りに行った会社は一つもありません。私自身の会社でもそうです。

 

なぜ計画通りにいかないとわかっているのに、時間をかけてまでわざわざつくるのか。無意味ではないのか。私自身も30代で経営者をしていたころはそう思っていた時期がありました。

 

しかしながら、現在ではこれまでの支援や自身の会社での経験でその必要性が徐々に理解できてきました。何のために事業計画を作成するのか。なぜ計画が必要なのか。

 

それは「計画通りにいかないから」です。

 

経営とは、常に不確実性の中で決断を迫られる営みです。事業計画はこの不確実な未来に対して「仮説」を立て、それを検証するための「起点」になります。

 

計画通りにいかないことは前提であり、それでも計画を立てる理由は、その仮説がなければ修正も改善もできないからです。

 

これに加え、私は経営者の仕事について「将来をつくること」と定義しています。この定義に基づき、事業計画は「将来を創造する設計図」と考えています。

 

人間だけが未来を想像し、創造できる生き物です。自分が目指す将来像を形にし、自分自身はもとより、関係者と共有し、それぞれの頭の中で同じ将来像を描く。描いた絵が現実に引き寄せられる瞬間です。

 

そもそも、頭の中にないものは現実になりえません。頭の中にあっても、形になっていなければ誰もその存在を知らないまま終わります。そして自分自身も忘れてしまいます。

 

経営者の頭の中をオープンにし、それを形にすることが「将来をつくること」の第一歩です。

 

私がご支援している複数のクライアントも、最初は事業計画に懐疑的な感じでした。しかしながら、いずれも作成後は業績が伸びており、事業計画を作成・共有することの力を相当感じていただいています。

 

ちょっと話は逸れますが、世間では事業経営を登山や旅になぞらえ、事業計画は地図やコンパスと例えられることも多いような気がします。

 

私自身は経営という言葉の語源が「建物を建てていくプロセス」からきており、事業計画は「将来を創造する設計図」という考えですので、「建築と設計」が経営の例えとしてはしっくりきています。

 

さて、皆さんの「将来を創造する設計図」はどうなっているでしょうか。設計図がなければ目指す将来は永久につくられません。行き当たりばったりでいっても、つぎはぎだらけの不安定な建築物ができるだけです。

 

計画通りにいかないからこそ、土台となる計画を作成し、環境の変化に対応しながら目指す将来を形作っていきましょう。

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