「紳士服、見えぬ脱スーツ 青山、初の最終赤字に 大手、軒並み苦戦続く」2019年11月18日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「紳士服大手4社の業績悪化が止まらない。青山商事は2020年3月期の最終損益が創業以降、初の赤字に転落する見通し。」としています。
コナカも53億円の赤字、はるやま、AOKIも苦戦が続いている模様です。4社ともスーツの販売不振の波は避けて通れず、業績悪化の一因として大きく影響しています。スーツを着る機会の減少はもとより、いわゆる「スーツ屋さん」以外にも安価なスーツを売り出すプレイヤーも出てきています(ユニクロなど)。
今後、スーツ需要が消滅することはないにしても、誰がどう見ても市場として伸びていくことは考えにくく、紳士服大手の4社は曲がり角に差し掛かっているのは間違いありません。各社は当然様々な手を打って(飲食店やカフェ、カラオケなどに参入)はいますが、スーツ不振を覆すほどのインパクトはなく、相当な危機感をもって戦略を練っていると思われます。
さて、私はアパレル小売店を経営しており、紳士服も取り扱っています。もちろんスーツもあり、シャツ、ネクタイなどの関連商品も取り揃えています。スーツは5万~ほどで中価格帯ですが、以前に比べると明らかに需要が減っているのがはっきりと数字にも表れています。
周囲の店舗も軒並み同様の状況で、スーツ以外のカジュアルアイテムも厳しくなっています。もともと全国的にオーバーストア状態ではありましたが、ここにきてそのひずみが可視化されてきたと言えるでしょう。
全体としてのパイは増えていないことから(むしろ減っている)、市場としての先行きは明るくないとは思っていましたが、思いのほか速いスピードで沈んでいくのが体感としても、数字としても痛感されます。
百貨店、ファッションビル、路面店など出店場所を問わず厳しさを増しています。もちろん一部売れている店舗はあるものの、そのライフサイクルは非常に短くなってきています。これは決して泣き言ではなく、事実として私は真摯に受け止めています。
紳士服大手4社が揃って他業種に参入しているのは、相当な危機感があるからに相違ありません(当たり前ですが)。大手でなくとも、私も現場で事実を見ている分その「ヤバさ」が冗談抜きに「ヤバい」と断言できます。すなわち、「一気に萎む時が来る」ということです。
それがいつになるかはわかりませんが、「確実」にその時は来ます。危機感ばかり煽ってもしょうがないのですが、一番危機感がないのは、実は業界の人たちだったりします。「どうにかしないといけない」と頭では思っていながら、結局去年と同じことばかりやってしまう。「現状維持は衰退の始まり」ということをしっかりと身に刻んでいきたいと思います。

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