
「夜間営業の飲食店『密』に、都内繁華街、昨春より人出多く 感染怖い 路上飲みも」2021年1月24日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「繁華街の夜の人出を見ると、宣言再発令以降は減少に向かっているものの、昨春の前回宣言時よりは多い傾向にある。」としています。
記事では「新宿や渋谷などの飲食店約2千店のうち、95%が午後8時までの時短要請に応じている」ともあります。ただ、午後8時以降も営業を続けている店舗もあり、そういった店に人が集中する傾向にあります。スマートフォンの位置情報から午後8時以降に営業している店舗周辺の滞在情報を分析したところ、局所的に人口増加が見られたそうです。
営業を続けている店はどこも満席で、行列ができている例もあります。「感染が怖かったが飲みたい欲に負けた」という声や「仕事終わりに飲みたいが、開いている店は混んでいて怖いから外で飲んでいる」と路上飲みをしている人の姿もあったとのこと。
全体としての人出は少なくなっているのでしょうが、個別に見れば記事のような状況もあり得ると思います。あくまで時短「要請」ですから、営業するしないは経営者にゆだねられます(従わない場合は店名公表となりそうですが)。人の習慣もそうそう簡単に変えられるものではないでしょう。権利云々の話を持ち出さずとも、店に集まった人を攻められるものではありません。もちろん、感染防止対策は徹底した上での話ですが。
私が気になるのは、時短要請に従わず営業している店、またそこに来ているお客を悪者的に扱うような風潮があることです。中には乱痴気騒ぎをするような輩もいると思われますが、ほとんどの店、お客は羽目を外すことなく、対策を徹底した上で営業、利用しているのではないでしょうか。
一部の行動を拡大解釈して、さもそれが世の中の大半の状況であると錯覚を起こさせるような情報発信者、そして自分の頭で考えず鵜呑みにする受信者。鵜呑みならまだいいですが、それに自分の個別な経験を基にした独自の解釈を加えて再発信する人が大半だと思われます。結果、情報は錯綜し、本質が見えづらくなります。
今回の記事のタイトルも、取り方によっては「ルールを守らないとんでもない輩がいる」という印象を受けます。新聞記事はまだいい方で、昨今、ネット上には毎日のようにPV(ページビュー)数を稼ぐための煽るようなタイトルで溢れかえっています。
コロナ禍の今もそうですが、天災や社会を揺るがすような大事件が起きた際、情報に対する脊髄反射的な判断は身を亡ぼす危険性があります。まずは情報の出所の確認、裏付けのためのデータ確認、周囲から情報の収集、そして可能ならば自分の五感を使って現地現物を直に確認することをお勧めします。結局「百聞は一見に如かず」がしなくてもよい失敗を減らすのです。

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